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衛府
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えふ
ふりがな文庫
“
衛府
(
えふ
)” の例文
主上と准后の
廉子
(
やすこ
)
からは、祭祀の
供華
(
くげ
)
を賜わっていたので、そのおこたえに参内したものと、
衛府
(
えふ
)
や
伝奏
(
でんそう
)
には触れられているという。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
西八条の邸内には、既に一門の重だった者たち数十人が、思い思いの鎧をつけて、ずらりと立ち並び、諸国の
受領
(
ずりょう
)
、
衛府
(
えふ
)
などは、縁先からあふれて庭を埋めている。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
公卿
(
こうけい
)
も二人の大臣以外は全部
供奉
(
ぐぶ
)
した。神前の舞い人は各
衛府
(
えふ
)
の次将たちの中の
容貌
(
ようぼう
)
のよいのを、さらに
背丈
(
せたけ
)
をそろえてとられたのであった。落選して
歎
(
なげ
)
く風流公子もあった。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
彼は再び恋のかたきを蹴倒して、腰に
佩
(
は
)
いている
衛府
(
えふ
)
の太刀に手をかけたかと思うと、闇にきらめいた切っ先は兼輔の烏帽子をはたと打ち落として、その
小鬢
(
こびん
)
を斜めにかすった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その父は、しかも、とかく官途をきらって、鳥羽の院へも、御所の
衛府
(
えふ
)
へも、特に、召されでもしない限りは、
出仕
(
しゅっし
)
した
例
(
ためし
)
がない。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「もう堪忍も容赦もならぬ。
衛府
(
えふ
)
の侍どもを召しあつめて、宇治へ差し向けようと思う」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この夜の信連の装束は、
萌黄匂
(
もえぎにおい
)
の腹巻をつけ、上には薄青の
狩衣
(
かりぎぬ
)
、腰には
衛府
(
えふ
)
の太刀。やがて午前零時、騎馬の音が門外に近づいた。源大夫判官兼綱と、出羽判官光長の率いる三百余騎である。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
文官の誇りにする弁さえ傍観していられないのだから、高官になっていても若い
衛府
(
えふ
)
の人などはおとなしくしている必要もない。私の青春時代にもそうしたことの仲間にはいりえないのが残念に思われたものだ。しかし軽々しく人を
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「火事だけなら、こんなにあわてはしません。
衛府
(
えふ
)
の者がやって来たのです。とうとうやって来た! 何十人という捕吏を連れて——」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尊氏は、
衛府
(
えふ
)
ノ門の外へやって来て、供の面々へ、自分はひとり後から帰る、一同は先にひきあげて、くつろいでいいぞと、いい渡した。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いい捨てると、尊氏はふたたび
衛府
(
えふ
)
の門内へもどって行った。そして、内裏の西北にある
校書殿
(
きょうしょでん
)
の廊ノ細殿の外にかかるや、ふと
佇
(
たたず
)
んで
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
史
(
し
)
には、文武天皇の大宝元年(西暦七〇一年)が始めとみえる。
禁廷
(
きんてい
)
で、左右の
衛府
(
えふ
)
の人びとだけでやったものらしい。それも五月の
節会
(
せちえ
)
だけに。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言い出しては、決して、言をひるがえす
洪
(
こう
)
大将ではない。都城の
衛府
(
えふ
)
で、部下をが鳴ッている通りな彼になっている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
衛府
(
えふ
)
の小者たちは、そんな例を毎晩のように見かけるけれど、これも、大して
異
(
い
)
ともしない顔つきで、多くは見のがしていることが当り前になっていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
聞けば、
衛府
(
えふ
)
の
輩
(
やから
)
は、おれたちの
迂
(
う
)
を
嘲
(
わら
)
い、自分らの手で
捕
(
と
)
ってみせるといいおるそうな。——意地でもある。盛遠は、この手で、
捕
(
とら
)
えてみせたいところだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
阻止する
衛府
(
えふ
)
の士と、盲目的な六波羅者との間に、たちまち、凄まじい格闘が起ったのはいうまでもない。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それ」と、すぐさま
衛府
(
えふ
)
の侍を走らせてみると、それは、
郷住
(
さとず
)
まいになったさる武家の
姉妹
(
きょうだい
)
であった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勅使は、帰京するや、さっそくこれを総理
高俅
(
こうきゅう
)
につたえ、高俅は帝のみゆるしのもとに、
衛府
(
えふ
)
、および禁軍武器庫、それぞれの文官武官に命じて手順をとらせた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平治ノ乱のむかしは、ここも武者
草鞋
(
わらんじ
)
や
馬蹄
(
ばてい
)
にじゅうりんされたこともあるが、今日こんな無法な侵入は、
衛府
(
えふ
)
としてゆるし難い。彼らの極力な阻止は当然なのだ。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
えれば、必ず一
衛府
(
えふ
)
の大将ではおりません。やがては、幕府の将軍を、望むにきまッておりまする
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それくらいだから、長年、禁門の
衛府
(
えふ
)
にありながら、彼のみは、昇殿もゆるされなかった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうちに、突然、彼は、小一条の館から、滝口の
衛府
(
えふ
)
へ、勤め替えを、命じられた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも実物の王よりは柴進のほうが、
鞋
(
くつ
)
の運びまでが立派であった。東華門、正陽門の二
衛府
(
えふ
)
を通ると、
内裏
(
だいり
)
もいわゆる
鳳闕
(
ほうけつ
)
のまぢかで、
瑠璃
(
るり
)
のかわら、
鴛鴦
(
えんおう
)
(おしどり)の池のさざなみ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
衛府
(
えふ
)
三名、供侍二十騎が、それに
扈従
(
こじゅう
)
して行った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかし、わしの官位などは、依然として、大掾に止まったままだ。何というても、田舎にいては、
分
(
ぶ
)
がわるい。お
許
(
もと
)
は、右馬允になり、やがては、
衛府
(
えふ
)
の
頭
(
かみ
)
にもなれよう。官職では、この老父よりはるかに上じゃよ」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“衛府”の意味
《名詞》
衛門府、左右衛士府、左右兵衛府の総称。
衛府に所属する武官。
(出典:Wiktionary)
衛
常用漢字
小5
部首:⾏
16画
府
常用漢字
小4
部首:⼴
8画
“衛府”で始まる語句
衛府太刀