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蒸籠
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せいろ
ふりがな文庫
“
蒸籠
(
せいろ
)” の例文
やがて
蒸籠
(
せいろ
)
といふものに
入
(
い
)
れて
蒸
(
む
)
したお
米
(
こめ
)
がやはらかくなりますとお
婆
(
ばあ
)
さんがそれを
臼
(
うす
)
の
中
(
なか
)
へうつします。
爺
(
ぢい
)
やは
杵
(
きね
)
でもつて、それをつき
始
(
はじ
)
めます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
やりかけておりました
蒸籠
(
せいろ
)
の
修繕
(
つくろい
)
を片づけまして、煙草を一服吸うてから
草鞋穿
(
わらじば
)
きのまま出かけましたのが、かれこれ四時頃で御座いましつろうか。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
主人はようやく写真から眼を放して「君この暑いのに
蕎麦
(
そば
)
は毒だぜ」と云った。「なあに大丈夫、好きなものは
滅多
(
めった
)
に
中
(
あた
)
るもんじゃない」と
蒸籠
(
せいろ
)
の
蓋
(
ふた
)
をとる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蒸籠
(
せいろ
)
から出したばかりのまんじゅうからは、暖かそうな蒸気がゆるやかな
渦
(
うず
)
を巻いて立ちのぼっている。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
臼と杵が持ち出され、
蒸籠
(
せいろ
)
からあたたかそうな湯気が立ち、それが臼の中に移される。調子のいい音を立てて杵がつき、相手がこねる。時々威勢のいいかけ声が入る。
狂い凧
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
先ず魚へ塩をふりて一時間ほど置き
蒸籠
(
せいろ
)
または御飯蒸しにて蒸し、別に牛乳ソースとて鍋へ大サジ一杯のバターを溶かし、大サジ一杯のメリケン粉を入れて能くいため
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ゆうべ、ちょっと見かけたここのお
内儀
(
かみ
)
も久助も、まだグッスリと寝坊している様子です。
羽目板
(
はめいた
)
がソックリ
反
(
そ
)
るほど照りつけている外の陽に、家の中は
蒸籠
(
せいろ
)
のように蒸されています。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勤番者はよく失策をしたもので、かの蕎麦屋で
蒸籠
(
せいろ
)
へ汁をぶっかけること等は、少しも珍しい事ではなかった。勤番者は大概一つ小屋に一緒に居た。今の寄宿舎といった風になっていた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
「
蒸籠
(
せいろ
)
に
脛
(
すね
)
が出たたア、何のことですか」
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
蕎麦屋の
担夫
(
かつぎ
)
が
午砲
(
どん
)
が鳴ると、
蒸籠
(
せいろ
)
や
種
(
たね
)
ものを山のように肩へ載せて、急いで校門をはいってくる。ここの蕎麦屋はあれでだいぶもうかるだろうと話している。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……私はそれから裏口の
梔子
(
くちなし
)
の蔭に
莚
(
むしろ
)
を敷きまして、
煙管
(
きせる
)
を
啣
(
くわ
)
えながら
先刻
(
さいぜん
)
の
蒸籠
(
せいろ
)
の
繕
(
つくろ
)
い残りを
綴
(
つづ
)
くっておりましたが、そこから梔子の枝越しに、離家の座敷の
内部
(
ようす
)
が
真正面
(
まむき
)
に見えますので
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今度は
先刻
(
さっき
)
のように
目覚
(
めざま
)
しい食方もしなかった代りに、ハンケチを使って、中途で息を入れると云う不体裁もなく、
蒸籠
(
せいろ
)
二つを安々とやってのけたのは結構だった。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
近頃学校の先生が
午
(
ひる
)
の弁当に
蕎麦
(
そば
)
を食ふものが多くなつたと話してゐる。
蕎麦屋
(
そばや
)
の
担夫
(
かつぎ
)
が
午砲
(
どん
)
が鳴ると、
蒸籠
(
せいろ
)
や
種
(
たね
)
ものを山の様に肩へ載せて、急いで校門を這入つてくる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“蒸籠”の解説
蒸籠、または蒸篭(せいろ、せいろう)は、竹や木を編んで作られた蒸し料理用の調理器具。
(出典:Wikipedia)
蒸
常用漢字
小6
部首:⾋
13画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“蒸籠”で始まる語句
蒸籠店
蒸籠荷担