荒膽あらぎも)” の例文
新字:荒胆
舞臺の上の關白は對抗する力のために、見事にその荒膽あらぎもを取りひしがれる。そこには江戸人の高い笑がある。又、一例を言へば三千歳みちとせの芝居だ。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
けん自分じぶん荒膽あらぎもかれてしまつた。志村しむら畫題ぐわだいはコロンブスの肖像せうざうならんとは! しかもチヨークでいてある。元來ぐわんらい學校がくかうでは鉛筆畫えんぴつぐわばかりで、チヨークぐわをしへない。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
このつぎ如何いかなるひとるだらうと、わたくし春枝夫人はるえふじんかたりながら一ぽう倚子ゐすりてながめてつたが、暫時しばらく何人たれない、大方おほかたいま鵞鳥聲がてうごゑ婦人ふじんめに荒膽あらぎもかれたのであらう。
之に依て又々吟味ぎんみに及ばれし處一たん荒膽あらぎも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)