茶椀ちやわん)” の例文
坊主ぼうずまでが陰氣いんきらしうしづんで仕舞しまいましたといふに、みれば茶椀ちやわんはし其處そこいてちゝはゝとのかほをばくらべてなにとはらずになる樣子やうす、こんな可愛かわひものさへあるに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
満枝は飯桶を我が側に取寄せしが、茶椀ちやわんをそれに伏せて、彼方あなた壁際かべぎは推遣おしやりたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
もうめにするとて茶椀ちやわんを置けば、そんな事があります物か、力業ちからわざをする人が三膳の御飯のたべられぬと言ふ事はなし、気合ひでも悪うござんすか、それともひどく疲れてかと問ふ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もうめにするとて茶椀ちやわんけば、其樣そんことがありますものか、力業ちからわざをするひとが三ぜん御飯ごはんのたべられぬとことはなし、氣合きあひでもわるうござんすか、れともひどつかれてかと
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
女主あるじが手づから寄せなべ茶椀ちやわんむし位はなるも道理ことわり、表にかかげし看板を見れば子細らしく御料理おんりようりとぞしたためける、さりとて仕出し頼みにゆきたらば何とかいふらん、にはか今日こんにち品切れもをかしかるべく
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
女主あるじづからなべ茶椀ちやわんむしぐらいはなるも道理ことわりおもてにかゝげし看板かんばんれば子細しさいらしく御料理おんりようりとぞしたゝめける、さりとて仕出しだたのみにゆきたらばなにとかいふらん、にはか今日こんにち品切しなぎれもをかしかるべく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)