聖賢せいけん)” の例文
「術ではなく、道であります故に。——すでに道である以上、聖賢せいけんのこころ、禅の要諦ようたい、経世の要義、その道のうちにあらぬはございません」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
落せしよりはからずも無實むじつの罪に陷入おちいりたん入牢仰せ付られけるがかみ聖賢せいけんきみましませば下に忠良ちうりやうの臣あつてよく國家を補翼ほよくす故に今かく明白めいはく善惡ぜんあく邪正じやしやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ほどこして必ずほうある者は、天地の定理ていりなり。仁人じんじんこれを述べてもっひとすすむ。ほどこしてほうのぞまざる者は、聖賢せいけん盛心せいしんなり。君子くんしこれそんして以てすくう」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
先生のいうところでは、「田沼さんは、聖賢せいけんの心と、詩人の情熱とをかねそなえた理想的な政治家」であり、「明治・大正・昭和を通じて、日本が生んだ庶民しょみん教育家の最高峰さいこうほう
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「間違にしても意味深長だよ。聖賢せいけんの教訓を含んでいる」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
孫平治如きは、今なお、一冊の聖賢せいけんの書もよう読みませぬが、それでも、この御国の上においては、忠孝二つを踏み外しては、天道も人道もない事ぐらいは、ようわきまえておりまする
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聖賢せいけんと言わるる人は家にありて、言葉遣いもいやしくもせず、「男女七歳にしてせきおなじゅうせず」の主義で、七歳以上は自分のむすめでも同座せず、しかして早朝よりかみしもをつけて四角四面に端座しているか。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
或いは、聖賢せいけんに問う。或いは、剣をって、胆心を養う。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)