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繁茂
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しげ
ふりがな文庫
“
繁茂
(
しげ
)” の例文
この小さな、緑色に
繁茂
(
しげ
)
り栄えた島の中には、
稀
(
まれ
)
に居る大きな
蟻
(
あり
)
のほかに、私たちを
憂患
(
なやま
)
す
禽
(
とり
)
、
獣
(
けもの
)
、
昆虫
(
はうもの
)
は一匹も居ませんでした。
瓶詰地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
はっと、うしろを振り顧ると、
紫陽花
(
あじさい
)
の
繁茂
(
しげ
)
っている崖の中腹に、黒い、覆面の魔物が、肩先を見せて、逃げかけた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
傍
(
かたへ
)
に一
本
(
ぽん
)
、
榎
(
えのき
)
を
植
(
う
)
ゆ、
年經
(
としふ
)
る
大樹
(
たいじゆ
)
鬱蒼
(
うつさう
)
と
繁茂
(
しげ
)
りて、
晝
(
ひる
)
も
梟
(
ふくろふ
)
の
威
(
ゐ
)
を
扶
(
たす
)
けて
鴉
(
からす
)
に
塒
(
ねぐら
)
を
貸
(
か
)
さず、
夜陰
(
やいん
)
人
(
ひと
)
靜
(
しづ
)
まりて
一陣
(
いちぢん
)
の
風
(
かぜ
)
枝
(
えだ
)
を
拂
(
はら
)
へば、
愁然
(
しうぜん
)
たる
聲
(
こゑ
)
ありておうおうと
唸
(
うめ
)
くが
如
(
ごと
)
し。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
星明
(
ほしあかり
)
で庭の景色もおぼろに見える、昼は
左
(
さ
)
のみとも思わなかったが、今見ると実に驚くばかりの広い庭で、
植込
(
うえこみ
)
の立木は
宛
(
まる
)
で小さな森のように黒く
繁茂
(
しげ
)
っているが、今夜はそよとの風も吹かず
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
繁
常用漢字
中学
部首:⽷
16画
茂
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
“繁”で始まる語句
繁
繁昌
繁々
繁華
繁盛
繁殖
繁吹
繁文縟礼
繁多
繁花