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綿入
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わたい
二番めのわがおもふどちは、おれの
仲よしだといふくらゐの
意味で、おれだつて
虱とおんなじことだ、とまるで、
綿入りの
着物の
縫ひめに
一
體の
容顏好い
方なれども、いかにもいかにもの
田舍風、
午房縞の
綿入れに
論なく
白木綿の
帶、
青き
毛布を
膝の
下に、
前こゞみに
成りて
兩手に
頭をしかと
押へし。
いかにも西洋じみた
野暮くさい
綿入れを着ている葉子であった。
「兄者。お
綿入れは脱がずにおいたほうがいいでしょう」
書生の
千葉が
寒かるべきを
思しやり、
物縫ひの
仲といふに
命令て、
仰せければ
背くによし
無く、
少しは
投やりの
氣味にて
有りし、
飛白の
綿入れ
羽織ときの
間に
仕立させ、
彼の
明る
夜は
着せ
給ふに