綿入わたい)” の例文
二番にばんめのわがおもふどちは、おれのなかよしだといふくらゐの意味いみで、おれだつてしらみとおんなじことだ、とまるで、綿入わたいりの着物きものひめに
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
たい容顏きりようほうなれども、いかにもいかにもの田舍風いなかふう午房縞ごぼうじま綿入わたいれにろんなく白木綿しろもめんおびあを毛布けつとひざしたに、まへこゞみにりて兩手りようてかしらをしかとおさへし。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いかにも西洋じみた野暮やぼくさい綿入わたいれを着ている葉子であった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「兄者。お綿入わたいれは脱がずにおいたほうがいいでしょう」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
書生しよせい千葉ちばさむかるべきをおぼしやり、物縫ものぬひのなかといふに命令いひつけて、おほせければそむくによしく、すこしはなげやりの氣味きみにてりし、飛白かすり綿入わたい羽織はをりときの仕立したてさせ、あくたまふに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)