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きゅうめい
ふりがな文庫
“
糺明
(
きゅうめい
)” の例文
とにかく明朝、あの浅田とやらいう人足を役所に呼び出し、きびしく
糺明
(
きゅうめい
)
してやろうと、
頗
(
すこぶ
)
る
面白
(
おもしろ
)
くない気持でその夜は寝た。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「それまで充分に稽古をして、いま平助が申すとおり必ず村松に勝つのだ、沖田とのことはその後で
糺明
(
きゅうめい
)
する、わかったな、わかったら立て」
恋の伝七郎
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
よくよく
糺明
(
きゅうめい
)
して見ると、実は
今月末
(
こんげつすえ
)
とかに開場するんで、何をやるんだか、その日になって見なければ、総裁にも分らないのだそうである。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
アッシェンバッハは、なかばうっかりと、なかば
糺明
(
きゅうめい
)
するように、この見知らぬ男を熟視しながら、おそらくつつしみを欠いてしまったのであろう。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
帰ったら、
糺明
(
きゅうめい
)
してやろう。お磯がよくない。どこかに置いて、も一度、詫びをさせて家に入れるつもりだろう。
べんがら炬燵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
とにかく自分だけで、Sの正体を
糺明
(
きゅうめい
)
しなければならぬ。Sとは何か? それにしきりに考え耽っていて、つい電車を乗り越すことさえありました。Sとは何か?
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
それを引捕えて
糺明
(
きゅうめい
)
しようというのは、主膳の
仕業
(
しわざ
)
としては有り得べきことに違いないが、それにしても、生きながら井戸へ投げ込むというのはあまりに惨酷である。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
で、まだそこらにまごまごしていたら、引捕まえて
糺明
(
きゅうめい
)
してやろうと、今日出たついでに、そちらへ廻ってみた。なに、天神下の湯女の宿は三軒しかないからすぐ分ったがね。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
露骨に云えば彼女の貞操その物よりも、ずっとこの方が頭痛の種でした。彼女を
糺明
(
きゅうめい
)
し、
或
(
あるい
)
は監督するにしても、その際に処する自分の腹を
予
(
あらかじ
)
め決めて置かなけりゃならない。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私はもともと神でもなければ仏でもなく、ただ非情の黄金の精です。非情のものとして人間の善悪を
糺明
(
きゅうめい
)
し、その結果にしたがって、私が行動しなければならない理由はありません。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
しばらく
宥恕
(
ゆうじょ
)
いたし候につき、
速
(
すみや
)
かに
姦徒
(
かんと
)
の罪状を
糺明
(
きゅうめい
)
し、厳刑を加うべし。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そればかりでなくその女子の良人というのは木曽家の大智者、花村甚五衛門の伜の右門。そう知りましたので引っ捕らえ連れ参ったのでござります。もしも
糺明
(
きゅうめい
)
遊ばしたなら木曽の館の内情を
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
悔悟すれども
膺懲
(
ようちょう
)
の奇策なければ
淪胥
(
りんしょ
)
与
(
とも
)
に
喪
(
ほろ
)
ぶるの外致し方なし。
将
(
はた
)
また京師の一条も幕府最初の思い過ちにて、追々
糺明
(
きゅうめい
)
あればさまで
不軌
(
ふき
)
を謀りたる訳にこれ無く候えば、今また少しく悔ゆ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
続いて酒井家の大目附から、町奉行の
糺明
(
きゅうめい
)
が済んだから、「
平常通心得
(
へいじょうのとほりこころう
)
べし」と、九郎右衛門、りよ、文吉の三人に達せられた。九郎右衛門、りよは天保五年二月に貰った
御判物
(
ごはんもの
)
を大目附に納めた。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
糺明
(
きゅうめい
)
いたそうではないか
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
『いつまでも寝ないで、困った大人共でござる。伝右どの、その
手輩
(
てあい
)
に、あしたは
糺明
(
きゅうめい
)
しておやりなされ』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
憂鬱
(
ゆううつ
)
にちかい気持でこの洗面所に来てみると、マア坊が、あんまりなまめかしかったので、男子として最も恥ずべきやきもちの心が起り、つい、あらぬ事を口走って、ただちにマア坊に
糺明
(
きゅうめい
)
せられ
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
責任者を
糺
(
ただ
)
していること、また、事務に
関
(
かか
)
わった当番兵七名を、お旗箱が出なければ、切腹させるつもり、営倉に
糺明
(
きゅうめい
)
させていることなどを、早口に、云いたてて
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これはおれを意見するために、仕置しているのだ。
糺明
(
きゅうめい
)
だから、晩にはゆるされる。——それを貴様たちが、おれのいうこともきかずおれを苦しめるなら苦しめてみろ。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
生
(
なま
)
ぬるいっ。そんな
詫言
(
わびごと
)
で済もうか。そちと、お麗の
糺明
(
きゅうめい
)
は、後でする。——まず修蔵だ」
べんがら炬燵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「八十三郎っ、なぜ、縄をかけておかんかっ。なにっ? 兄に縄はかけられんと。ばかっ、
情
(
じょう
)
は情、武士道は武士道、よしっ、わしが
糺明
(
きゅうめい
)
してやる。細引を出せっ、細引を」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はッ、いかさま。それまでには気がつきませんでした。さっそく、
糺明
(
きゅうめい
)
いたしてみます」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また
密
(
ひそ
)
かに客を揚げて、かような時とばかり、営利をむさぼる楼主の不謹慎はなおもってゆるし難い。追っつけ、楼主には後より
糺明
(
きゅうめい
)
を申しつけるが取り
敢
(
あえ
)
ず、その客をここへ出せ
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「親父に
糺明
(
きゅうめい
)
されて、切腹をする代りにと、
叔父貴
(
おじき
)
の手で坊主にされたときは……」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いまさら
糺明
(
きゅうめい
)
するわけではないよ。ものの順序として訊くのだ。誤解するな」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「くせになる。うんと
糺明
(
きゅうめい
)
してやるから来い。お父さんのところへ来い」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『言語道断な内匠頭の振舞、但馬、
疾
(
と
)
く
糺明
(
きゅうめい
)
せい』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
糺
漢検1級
部首:⽷
7画
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
“糺明”で始まる語句
糺明中
糺明所