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簇々
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ぞくぞく
ふりがな文庫
“
簇々
(
ぞくぞく
)” の例文
技術派の方へ加担をするものがかえって多くなって、同情が高まり、旭玉山、石川光明氏等へ味方するものが
簇々
(
ぞくぞく
)
と出て来ました。
幕末維新懐古談:47 彫工会の成り立ちについて
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ところが、またふたたび、同じような馬蹄の音が、町の方から聞えて来た、
簇々
(
ぞくぞく
)
とかたまり合って駆けて来る具足のひびきも耳を
搏
(
う
)
つ。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
現に今日も、この
卓子
(
テエブル
)
の上には、
籐
(
とう
)
の籠へ入れた
桜草
(
さくらそう
)
の鉢が、何本も細い茎を
抽
(
ぬ
)
いた先へ、
簇々
(
ぞくぞく
)
とうす赤い花を
攅
(
あつ
)
めている。……
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
商工業の如きも解放された。解放されてみると、自己の機能を発揮して、一個人で大工業、大商業を起すものが
簇々
(
ぞくぞく
)
と出て来るようになった。
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
松は墓標の上に
翠蓋
(
すいがい
)
をかざして、黄ばみ
紅
(
あか
)
らめる桜の落ち葉点々としてこれをめぐり、近ごろ立てしと覚ゆる
卒塔婆
(
そとば
)
は
簇々
(
ぞくぞく
)
としてこれを
護
(
まも
)
りぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
青い物の芽が
簇々
(
ぞくぞく
)
と生えてそれが茎になり葉になった。それは
蕎麦
(
そば
)
であった。白い花がすぐ開いた。赤い茎がそれと映り合った。やがて花が落ちて黒い実が一面に見えてきた。
蕎麦餅
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
簇々
(
ぞくぞく
)
と有為新進の担当者を送りこむためのベース・キャンプとなった。
福沢諭吉
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
簇々
(
ぞくぞく
)
と
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
鏘々
(
しょうしょう
)
と
甲冑
(
かっちゅう
)
のひびきが聞える。明らかに
簇々
(
ぞくぞく
)
と兵団の近づくような地鳴りがする。すわと、にわかに信玄のまわりは色めきたった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
磯山
(
いそやま
)
の若葉の上には、もう夏らしい
海雲
(
かいうん
)
が
簇々
(
ぞくぞく
)
と空に去来していると云う事、その雲の下に干してある
珊瑚採取
(
さんごさいしゅ
)
の絹糸の網が、
眩
(
まばゆ
)
く日に光っていると云う事
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
見物は
相不変
(
あいかわらず
)
、日傘の陰にも、
平張
(
ひらばり
)
の下にも、あるいはまた
桟敷
(
さじき
)
の欄干の
後
(
うしろ
)
にも、
簇々
(
ぞくぞく
)
と重なり重なって、朝から
午
(
ひる
)
へ、午から
夕
(
ゆうべ
)
へ日影が移るのも忘れたように
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
親鸞の師弟が
杖
(
つえ
)
をついた地方——たとえば越後、信州、上州、武州などの各地にも、
蒔
(
ま
)
かれてあった
胚子
(
たね
)
が、春に会ったように、
簇々
(
ぞくぞく
)
と
芽
(
め
)
となり、ふた葉となり樹となり花となって
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丁子は銅像をめぐった芝生の上に、
麗
(
うら
)
らかな日の光を浴びて、
簇々
(
ぞくぞく
)
とうす紫の花を綴っていた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
紅蓮白蓮
(
ぐれんびゃくれん
)
の造り花が
簇々
(
ぞくぞく
)
と咲きならんで、その間を
竜舟
(
りゅうしゅう
)
が
一艘
(
いっそう
)
、錦の
平張
(
ひらば
)
りを打ちわたして、
蛮絵
(
ばんえ
)
を着た
童部
(
わらべ
)
たちに
画棹
(
がとう
)
の水を切らせながら、微妙な楽の
音
(
ね
)
を漂わせて、悠々と動いて居りましたのも
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
簇
漢検1級
部首:⽵
17画
々
3画
“簇”で始まる語句
簇
簇生
簇出
簇立
簇葉
簇擁
簇然
簇集
簇雲
簇団