“ぞくぞく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
簇々57.9%
続々15.8%
続続10.5%
悪寒戦慄5.3%
慄々5.3%
慄然々々5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、またふたたび、同じような馬蹄の音が、町の方から聞えて来た、簇々ぞくぞくとかたまり合って駆けて来る具足のひびきも耳をつ。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しだいに夜が迫って来て、続々ぞくぞくと旅人は旅宿のかどをくぐった。と、その時二人の浪人が、千代古屋の門をくぐったが、そのみすぼらしい風さいから、どうやら帳場から断わられたらしい。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
僕はその時話の次手ついでにもう続続ぞくぞく罹災民りさいみんは東京を去つてゐると云ふ話をした。
タマラない全身の悪寒戦慄ぞくぞくが、あとかたもなく消え失せてしまって、何ともいえない気持のいい浮き浮きした酒の酔い心地が、モウ一度ムンムンと全身によみがえって来るのを感じたので
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
松岡は一つ一つの部屋を見廻ってあるいていると、末枯れどきのうそ寒さが慄々ぞくぞくと肌身に沁みついた、からだが震えて止りそうもなかった。
三階の家 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そこらになまずでも湧出わきだしそうな、泥水の中へ引摺込ひきずりこまれそうな気がしたんで、骨まで浸透しみとおるほど慄然々々ぞくぞくするんだ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)