をさ)” の例文
とうさんが玄關げんくわんひろいたて、そのをさおときながらあそんでりますと、そこへもよくめづらしいものきのすずめのぞきにました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
きさらぎや多摩の山方やまかた、まだ寒き障子あかりどの内、人影の、手に織る機の、ていほろよをさうつらしき。立ちどまり、うつらに聴けばからりこよ、の鳴るらしき。
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
郎女が奈良の御館からとり寄せた高機たかはたてたからである。機織りに長けた女も一人や二人は、若人の中に居た。此女らが動かして見せるをさの扱ひ方を、姫はすぐに会得えとくした。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……それから、う、然う、夜半にはたを織るをさの音を毎夜聞いたこともあつた。あの頃、俺は五つか六つぐらゐであつたらう。俺は、昔から、あの頃から、もう神経衰弱だつたのか知ら。
ちゞみの糸四十すぢ一升ひとよみといふ。上々のちゞみは経糸たていと二十よみより二十三よみにもいたる。但しをさには二すぢづゝとほすゆゑ、一升の糸は八十すぢ也。布幅ぬのはゞ四方に緯糸よこいともこれにしたがふてあはせざれば地をなさず。
耳を澄ますと二処程でをさの音がして居る。
斑鳩物語 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
をさおとやゝにへだゝり
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
三ツ目のをさから
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
きさらぎや多摩の山方やまかた、まだ寒き障子あかりどの内、人影の、手に織る機の、ていほろよをさうつらしき。立ちとまり、うつらに聴けば、からりこよ、の鳴るらしき。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
『トン/\ハタリ、トンハタリ。』祖母おばあさんのをさうごたびに、さういふおとこえてます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
障子あかりどにすずろにひびくをさの音山辺の春はすでに動きぬ
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
障子あかりどにすずろにひびくをさの音山辺の春はすでに動きぬ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)