立続たてつゞ)” の例文
旧字:立續
青邨はいつだつたかの淡窓の答へを思ひ出して、うにも合点がつてんの往かないらしかつた。で、立続たてつゞけに今一つの質問とひを投げ出した。
就中なかんづく、わざ/\東京とうきやうから出張でばつて親類しんるゐのものは、あるひなぐさめ、あるひはげまし、またいましめなどする種々いろ/\言葉ことばを、立続たてつゞけに嘵舌しやべつたが、あたまからみゝにもれず……暗闇くらやみ路次ろじはいつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わけて大観は上機嫌で立続たてつゞけにさかづきを傾けてゐたが、座にゐる女達はうしたものか米華の方にばかし集まつて大観の前には酒徳利さかどくりしか並んでゐなかつた。
少し前の事だが、Kといふ若い法学士が夜更けてある料理屋の門を出た。酒好きな上に酒よりも好きなをんなを相手に夕方から夜半よなか過ぎまで立続たてつゞけに呷飲あふりつけたので、大分だいぶん酔つ払つてゐた。
何しろあの通りの駄文家の事だから、いつも長文句ながもんく立続たてつゞけに口汚くのゝしつたに相違ないが、一しきり嵐が過ぎてしまふと、それでも一々記者の質問に答へて、自分の意見を聞かせて呉れたさうだ。
神戸高商にはこんな人達が多いと見えて、或教授は歯医者へ行く途中、咽喉のどが乾いて仕方がないので(学校教員だとて咽喉のかわかぬといふ法はない)珈琲店カフエーへ飛び込んで、立続たてつゞけに紅茶を二杯飲んだ。
舌鼓したつゞみを打ちながら、幾杯も立続たてつゞけにそれを煽飲あふりつける。