石屋いしや)” の例文
平太郎は其御影石が自慢なのだといてある。山からり出すのに幾日いくかとかかゝつて、それから石屋いしやたのんだら十円られた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いま持合もちあはしてゐませんけど、それくらいでよろしいのならいつでもおはらひしますから、どうぞ石屋いしやへ、御面倒ごめんだうでもおはなししてくださいませんか。おねがいたします。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
さみしい、しんとしたなか手拍子てびやうしそろつて、コツ/\コツ/\と、鐵槌かなづちおとのするのは、この小屋こやならんだ、一棟ひとむね同一おなじ材木納屋ざいもくなやなかで、三石屋いしやが、いしるのである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
石屋いしや権三郎ごんざぶろうは、大きな壇石だんいしのそばへ、のみをおいて、顔をこすった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それはこのてらつてゐる石屋いしやがありますから、そこへたのめばすぐこしらへてくれます。」
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
板圍いたがこひをして、よこながい、屋根やねひくい、しめつたくらなかで、はたらいてるので、三にん石屋いしやひとしく南屋みなみややとはれてるのだけれども、渠等かれら與吉よきちのやうなのではない、大工だいく一所いつしよ
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)