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ふりがな文庫
“
相模屋
(
さがみや
)” の例文
あの
相模屋
(
さがみや
)
という大きな質屋と酒屋との間の長屋は、僕の家の長屋で、あの時分に玄関を作れるのは名主にだけは許されていたから
僕の昔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いつのまにかじめじめした
薄
(
うす
)
ぎたない狭い通りに来たと思うと、はしなくもいつか古藤と一緒に上がった
相模屋
(
さがみや
)
の前を通っているのだった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
世話人の一人、
原庭
(
はらにわ
)
の顔役で
相模屋
(
さがみや
)
の
綱吉
(
つなきち
)
という
好
(
い
)
い男、本堂の青竹の手摺から見下ろすように平次に突っかかって来ました。
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一人は
相模屋
(
さがみや
)
吉兵衛という武具屋、これは道場で使う
面
(
めん
)
籠手
(
こて
)
や竹刀の修理新調を扱っている。一人は大工の
頭梁
(
とうりょう
)
で、道場の一部を直す相談である。
主計は忙しい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
さても本所の
鐘撞堂
(
かねつきどう
)
の
相模屋
(
さがみや
)
という
夜鷹宿
(
よたかやど
)
へ、やっと落着いた米友は、お君から何かの便りがあるかと思って、前に両国の見世物を追い出された晩
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
宿ですか、
馬喰町
(
ばくろちょう
)
の
相模屋
(
さがみや
)
てえのに旅籠をとっていますから、どうぞひとつくれぐれもお願いします。
早耳三次捕物聞書:03 浮世芝居女看板
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
蘿月はもと
小石川表町
(
こいしかわおもてまち
)
の
相模屋
(
さがみや
)
という質屋の
後取息子
(
あととりむすこ
)
であったが勘当の
末
(
すえ
)
若隠居の身となった。頑固な父が世を去ってからは妹お豊を妻にした店の番頭が正直に相模屋の商売をつづけていた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
塩町
(
しおちょう
)
と云う処に、
相模屋
(
さがみや
)
と云う料理茶屋が有ります。
此家
(
これ
)
は
彼地
(
あちら
)
では一等の家でございます。
或日
(
あるひ
)
のこと、
桑原治平
(
くわばらじへい
)
と云う
他所
(
よそ
)
へ反物を卸す
渋川
(
しぶかわ
)
の
商人
(
あきんど
)
と、茂之助は差向いで
一猪口
(
いッちょこ
)
飲
(
や
)
りながら
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いまは「すしや通り」という立派な道路になった
相模屋
(
さがみや
)
の露地のことだの、これ又、いまは「公園通り」という広い往来になった浅倉屋の露地のことだの、その露地の中ほどに、ポツンと一けん
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
芳郎の往った家は
相模屋
(
さがみや
)
と云う熱海では一流の温泉宿であった。
赤い花
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「なるほど、まだ言わなかったのか。——外じゃない。
広徳寺
(
こうとくじ
)
前の米屋、
相模屋
(
さがみや
)
総兵衛が、
昨夜
(
ゆうべ
)
人に殺されたんだとさ」
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さて今日はこれから、あの家へ遊びに行ってやろうか知ら、本所の
鐘撞堂
(
かねつきどう
)
で
相模屋
(
さがみや
)
というんだ、よく覚えてらあ
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
横浜という所には似もつかぬような古風な
外構
(
そとがま
)
えで、
美濃紙
(
みのがみ
)
のくすぶり返った置き
行燈
(
あんどん
)
には太い筆つきで
相模屋
(
さがみや
)
と書いてあった。葉子はなんとなくその行燈に興味をひかれてしまっていた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
蘿月
(
らげつ
)
はもと
小石川表町
(
こいしかはおもてまち
)
の
相模屋
(
さがみや
)
と
云
(
い
)
ふ質屋の
後取息子
(
あととりむすこ
)
であつたが
勘当
(
かんだう
)
の
末
(
すゑ
)
若隠居
(
わかゐんきよ
)
の身となつた。
頑固
(
ぐわんこ
)
な父が世を去つてからは妹お
豊
(
とよ
)
を妻にした店の番頭が正直に
相模屋
(
さがみや
)
の商売をつゞけてゐた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「成程、まだいはなかつたのか。——外ぢやない。
廣徳寺
(
くわうとくじ
)
前の米屋、
相模屋
(
さがみや
)
總兵衞が、
昨夜
(
ゆうべ
)
人に殺されたんだとさ」
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう一人の姪のお道といふのは、總兵衞の弟の娘で十九、これは美しくもあり、若くもあり、その上
身裝
(
みなり
)
なども、
相模屋
(
さがみや
)
のお孃さんらしい贅澤なものでした。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
月に浮かれたやうな心持で、路地へ出ると、そこは
相模屋
(
さがみや
)
さんの裏口と差向ひになつて居ります。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相模屋
(
さがみや
)
の若旦那新助は二十一、古い形容ですが、
日本橋業平
(
にほんばしなりひら
)
といわれる好い男のくせに、去年あたりからすっかり、
大弓
(
だいきゅう
)
に
凝
(
こ
)
ってしまって、大久保の寮に泊り込みのまま
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「飛んだことぢやありませんよ。誰が斯んな
虐
(
むご
)
たらしいことをしたんです。
相模屋
(
さがみや
)
さん」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は其處に時松を留め置いて、
相模屋
(
さがみや
)
に引つ返し、娘のお峯を呼出して、耻かしがるのを、いろ/\
撫
(
なだ
)
めすかし乍ら訊き出すと、この話も、
符節
(
ふせつ
)
を合せたやうに、時松の話と一致します。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
安針町
(
あんじんちょう
)
の、さ、
相模屋
(
さがみや
)
から
参
(
めえ
)
りましたが、——わ、若旦那が
昨夜
(
ゆうべ
)
——」
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
安針
(
あんしん
)
町の、さ、
相模屋
(
さがみや
)
から
參
(
めえ
)
りましたが、——わ、若旦那が昨夜——」
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
日本橋の
相模屋
(
さがみや
)
まで使の者を出させました。
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
相模屋
(
さがみや
)
という豆腐屋ですよ」
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
模
常用漢字
小6
部首:⽊
14画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“相模屋”で始まる語句
相模屋旅館