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せいめい
幸にもネープルス
市中で「
富貴なる
日本人。」と
盛名隆々たる
濱島武文の
特別なる
盡力があつたので、
吾等は
遂に
此最上の
船室を
占領する
事になつた。
A
馬鹿だなア、
澁六とは
俺の
變名ぢやないか。『
立派なユーモリスト』『
日本一のユーモリスト』として
俺の
盛名を
知らないとは、
親友甲斐のないにも
程があるぢやないか。
彼の
作品と
彼の
盛名と
彼の
手紙、
乃至は
写真のやうなものから
想像された
年少作家大久保が、
何んなに
美しい
幻影と
憧憬心の
多い
彼女の
情熱を
唆つたかは、
竹村にも
大凡そ
想像ができるのであつた。