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益
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ますま
ふりがな文庫
“
益
(
ますま
)” の例文
昼間の程は
勗
(
つと
)
めて
籠
(
こも
)
りゐしかの
両個
(
ふたり
)
の、夜に入りて後
打連
(
うちつ
)
れて入浴せるを伺ひ知りし貫一は、例の
益
(
ますま
)
す人目を
避
(
さく
)
るならんよと
念
(
おも
)
へり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
が
金
(
かね
)
は其きり
涕汁
(
はな
)
も引かけない。處へ松公は段々お大が鼻について、始終氣のない素振を見せる。お大の
荒
(
すさ
)
み出した感情は
益
(
ますま
)
す
荒
(
すさ
)
むばかりだ。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
白峰は
益
(
ますま
)
す立派さを増すに候、農牛、農爺、蝶、白馬、これらが信甲駿の空に聳えて、相応ずる姿、鏡花の『高野聖』に
雪の白峰
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
三十歳になれば
益
(
ますま
)
す良くなって来て二弗も三弗も取り、四十歳になると益す多くの収入を得るというような傾向である。
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
東京は何にも吾れと生命を同じうして一緒に亡びるものではない。吾れは今んまの間に死んで行っても東京は依然として後とに残り永久に向うて
益
(
ますま
)
す繁栄する。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
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こういう男子の相手としては如何にも
益々
(
ますます
)
柔順なる良妻が必要かも知れませんが、その偽善や不道理を一一御尤と和している婦人は今後
益
(
ますま
)
すなくなる事でしょう。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
渠
(
かれ
)
の
次第
(
しだい
)
に
急込
(
せきこ
)
むほど、
旅僧
(
たびそう
)
は
益
(
ますま
)
す
落着
(
おちつ
)
きぬ。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
遊佐は気が小いから
可
(
い
)
かない。ああ云ふ風だから
益
(
ますま
)
す
脚下
(
あしもと
)
を見られて好い事を為れるのだ。高が
金銭
(
かね
)
の
貸借
(
かしかり
)
だ、命に別条は有りはしないさ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
川は、やがて、左に折れて、農鳥山支脈の峡間に入って、
益
(
ますま
)
す狭く、石が次第に多い。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
されど程好くやっておくなら、
益
(
ますま
)
すその美色を発揮して、誠に見宜い者である。ナニ婦人に限った事はない、男子でもそうだ、やはり装飾が必要である。男は何のために洋服の襟飾を掛けるか。
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
同時
(
どうじ
)
に
不安
(
ふあん
)
の
雲
(
くも
)
は
益
(
ますま
)
す
暗
(
くら
)
くなつて
来
(
き
)
た。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ええ、解つてゐらつしやりながら
些
(
ちよつ
)
ともお解りにならないのですから、私も
益
(
ますま
)
す解らなくなりますですから、さう思つてゐらつしやいまし」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
谷は、
益
(
ますま
)
す迫って来る。手を伸し合う針葉樹は、
格子縞
(
こうしじま
)
を、虚空に組み合せている。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
根曲り竹は
益
(
ますま
)
す茂って、人の丈より高くなる、人混みの中を、押し分けるように気兼ねをしながら行くと、笹の茂りからは、白い灰がフーッと舞い立って、木の葉の露で手の
辷
(
す
)
べる杖までが
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
“益”の意味
《名詞》
人や世の中の役に立つこと。ためになること。
利益。もうけ。
(出典:Wiktionary)
益
常用漢字
小5
部首:⽫
10画
“益”を含む語句
利益
無益
益々
益〻
益田
滝川一益
有益
益益
無益物
益城
益良夫
平等利益
利益配当
御利益
裨益
一益
貝原益軒
益子
益州
益満
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