白砂しらすな)” の例文
ために夢見る里のような気がします。が、村に桃の林があって、浜の白砂しらすなへ影がさす、いつも合歓の花が咲いたようだと言うのだそうです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
初編にもいへる如く我国の雪は鵞毛がまうをなすはまれなり、大かたは白砂しらすなふらすが如し。冬の雪はさらに凝凍こほることなく、春にいたればこほること鉄石てつせきのごとし。
とたちまち霧は消えてしまって、空は紺青こんじょうみわたって、その中を雲雀がかけていました。遠い遠い所に木のしげった島が見えます。白砂しらすなの上を人々が手を取り合って行きかいしております。
東海とうかい小島こじまいそ白砂しらすな
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
初編にもいへる如く我国の雪は鵞毛がまうをなすはまれなり、大かたは白砂しらすなふらすが如し。冬の雪はさらに凝凍こほることなく、春にいたればこほること鉄石てつせきのごとし。
まちはなれてから浪打際なみうちぎはまで、およそ二百もあつたはずなのが、白砂しらすなあし踏掛ふみかけたとおもふと、爪先つまさきつめたなみのさきにれたので、晝間ひるまてつなべ煮上にあげたやうなすなが、みなずぶ/″\にれて
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
くさがくれのともに、月見草つきみさういた、苫掛船とまかけぶねが、ついとゞくばかりのところ白砂しらすなあがつてて、やがて蟋蟀こほろぎねやおもはるゝのが、數百すうひやく一群ひとむれ赤蜻蛉あかとんぼの、うすものはねをすいとのばし、すつとふにつれて、サ
十和田の夏霧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
町を離れてから浪打際なみうちぎわまで、およそ二百歩もあった筈なのが、白砂しらすなに足を踏掛ふみかけたと思うと、爪先つまさきつめたく浪のさきに触れたので、昼間は鉄のなべで煮上げたような砂が、皆ずぶずぶにれて、ひやっこく
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)