白昼はくちゅう)” の例文
旧字:白晝
が、如何に緻密ちみつの計画と、巧妙の変装を以てしても、白昼はくちゅうの非常線を女装じょそうで突破することはなりの冒険であった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
およそ忍術にんじゅつというものも夜陰やいんなればこそ鼠行そぎょうほうもおこなわれ、木あればこそ木遁もくとん、火あればこそ火遁かとんじゅつもやれようが、この白昼はくちゅう、この試合場しあいじょうのなかで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伏しておもう、某、青年にして世を棄て、白昼はくちゅうりんなし。六魄離るといえども、一霊未だほろびず、燈前月下、五百年歓喜の寃家えんかに逢い、世上民間、千万人風流の話本わほんをなす。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
とかくする中、かぞうれば今より十余年ほど前の事に相なり候。彼岸ひがんも過ぎて、野も山も花盛りに相なり候ころ白昼はくちゅうにわかに風雨吹起り、近村へ落雷十余箇処にも及び候事有之。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
わしは白昼はくちゅうに見たのだから。それは無数の霊の空中に格闘かくとうする恐ろしい光景であった。わしは武器の鏗鏘こうそうとして鳴る音を空中に聞いた。そのあるものは為義ためよしのようであった。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
白昼はくちゅうの都内では、車をとびおりて身をかくすなんて芸当は、できっこありません。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もとわが物でもない白昼はくちゅうに、別れると云うに8930
肉眼では人の顔も仄暗ほのくらくハッキリ見別けのつかぬような状態であったが、この赤外線テレヴィジョンに映るものは、殆んど白昼はくちゅうと変らない明るさであった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ああ戦国の餓鬼がき! 戦場のあとに白昼はくちゅう公盗こうとうをはたらく野武士のぶしの餓鬼! その一ぐんであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは深夜のことだったが、通過のさいは、約三時間にわたり、まるで白昼はくちゅうのように明かるかったという。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
かれがはっと気がついたときは、あたりはまるで白昼はくちゅうのように明かるくなっていた。さては、もとの世界へかえったかとよろこんだのは、ほんのつかのまだった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
隧道トンネルの入口に近づいてみますと、昨夜とはちがって白昼はくちゅうだけにその惨状さんじょうは眼もあてられません。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
白昼はくちゅうでもまず十キロのあたりでは、空が暗青色あんせいしょくとなり、それからだんだん暗さを増して、暗紫色となり、二十キロをえるころには黒紫色となり、それ以上は黒灰色になって
成層圏飛行と私のメモ (新字新仮名) / 海野十三(著)
「大東新報社長、白昼はくちゅうレーキス・ホテルの密室内に行方不明となる!」
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
博士は遂に手当の甲斐かいなく、そのまま他界した。いまわしい殺人事件が国研の中に突如として起り、しかも白昼はくちゅう、所長の芳川博士が殺害されたというのであるから、帝都ていときかえるような騒ぎだった。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
白昼はくちゅうかい
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)