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申出
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もうしい
ふりがな文庫
“
申出
(
もうしい
)” の例文
国枝氏は
突飛
(
とっぴ
)
千万なこの
申出
(
もうしい
)
でを、真面目に受取る気にはならなかったけれど、殿村の熱心な勧めを退ける理由もなかった。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
春の山——と、優に大きく、
申出
(
もうしい
)
でるほどの事ではない。われら式のぶらぶらあるき、
彼岸
(
ひがん
)
もはやくすぎた、四月上旬の
田畝路
(
たんぼみち
)
は、
些
(
ち
)
とのぼせるほど
暖
(
あたたか
)
い。
若菜のうち
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かくて一方には造船所の
計画
(
けいかく
)
成
(
な
)
ると同時に、一方において
更
(
さら
)
にロセツより
申出
(
もうしい
)
でたるその言に
曰
(
いわ
)
く、日本国中には
将軍殿下
(
しょうぐんでんか
)
の
御領地
(
ごりょうち
)
も少からざることならん
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
何故
(
なぜ
)
今日となって左様な事を
申出
(
もうしい
)
でたか、
徒
(
いたず
)
らに上を
弄
(
もてあそ
)
ぶに於ては其の
分
(
ぶん
)
には捨置かんぞ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かねての彼の
申出
(
もうしい
)
でらしかったが、葉子は文壇に乗り出す手段としてこそ、そうしたペトロンも必要だったが、そこまで附いて行けるかどうかは彼女自身にも解っていなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
今日こそうんと近くへ寄って、あの皮膚をしみじみと見られる、もちろん触ってみることも出来る。そう考えただけでも私は、とても彼女の
申出
(
もうしい
)
でを断る勇気はありませんでした。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何時
(
いつ
)
の
幾日
(
いくか
)
には遊びに行かんと親しき友より軽き約束
申出
(
もうしい
)
でられてももしやその日に腹痛まば
如何
(
いか
)
にせん、雨降らば
出
(
で
)
にくからんなぞ取越苦労のみ重れば折角の
興
(
きょう
)
もとく消えがちなるこそ悲しけれ。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それはなにか
気懸
(
きがか
)
りな話ではあったが、そういう
申出
(
もうしい
)
でには愛情のおもい
遣
(
や
)
りが
香
(
こう
)
のように
匂
(
にお
)
うてくるようでもあった。筒井はいつでも、そんなふうに申し出ることですぐれているものを持っていた。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
ラック大将は、自分の一存で、かの骸骨旗軍に、降服を
申出
(
もうしい
)
でた。
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
勇は伯爵に、こんな事を
申出
(
もうしい
)
でます。
死の予告
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
川手氏は、木島助手の変死の
悔
(
くや
)
みを述べ、遺族に対して出来るだけのことをしたいと
申出
(
もうしい
)
で、博士の方では、この重大事件を、助手任せにして置いた手落ちを
詫
(
わ
)
びた。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
麗子は、池の赤インキをガブガブ飲んで、息も絶え絶えに、残虐遊戯の中止を
申出
(
もうしい
)
でた。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そして殆ど犯人をつき止めたのですが、ただ一つ死体の
仕末
(
しまつ
)
が分らないために、その筋に
申出
(
もうしい
)
でることを控えていた訳でした。それが今のお話しですっかり分った様な気がします
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
布引氏は賊の
申出
(
もうしい
)
でに従って、警察に
届出
(
とどけい
)
でるのは見合せることにした。こういう場合に、賊の申出にさからって、飛んでもない結果をひき起した例を、
屡々
(
しばしば
)
耳にしていたからだ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
歎
(
なげ
)
き悲しんで呉れたのだが、やがて
初七日
(
しょなのか
)
も済んだとき、彼女の方から解職を
申出
(
もうしい
)
でたので、相川操一氏は、丁度珠子の学校友達の、あるお嬢さんの家から話があったのを幸い、殿村未亡人を
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
大使の御来遊延期を
申出
(
もうしい
)
でたけれど、ルージェール伯は、欧洲大戦にも参加され、シャンパーニュの激戦では、一時戦死を伝えられた程の勇士
故
(
ゆえ
)
、可愛らしい日本人の盗賊など、物の数とも思召さず
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼はハッハッと息を切らしながら、解雇を
申出
(
もうしい
)
でた。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
申
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“申出”で始まる語句
申出候