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田植
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たうゑ
南の
家では
少しばかり
養蠶をしたので
百姓の
仕事が
凡て
手後れに
成つたのであつた。
村落の
大抵が
田植を
畢り
掛けたので
慌てゝ
大勢の
手を
傭うた。
わたしはこの国の娘のやうに、あなた様のお姿を
描き上げました。しかもこれは御覧の通り、
田植の
装束でございます。けれども
円光がございますから、世の常の
女人とは思はれますまい。
おほどかに水張りて光てりかへし
田植は今にはじまるらむか
『
義母田植が
盛んですね。』
「なあに、
踏ん
固める
處へ
活けてせえ
置けば
大丈夫なものさ、
俺ら
家や
田植迄は
有るやうに
庭へ
埋めて
置くのよ」
亭主は
自分も
椀の
牛蒡を
挾んでいつた。
さうすると
百姓は
田のやうにどろ/\と
往來の
土をも
捏ねて
馬と
共に
泥に
塗れながら
田植にのみ
屈託する。