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猿眼
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さるまなこ
ドンと下りざまに
大な
破靴ぐるみ自転車をずるずると
曳いて寄ったは、横びしゃげて色の青い、
猿眼の中小僧。
振舞小遣など與へて喜ばせ聲を
潜めつゝ
其方の主人の娘お高殿に
我等豫々心を
懸る所お高殿も氣のある
容體なれども
御母殿が
猿眼をして居る故
咄も
出來難ければ貴樣に此文を
渡す
間能々人目を
小児等は同じように顔を合せて、
猿眼に、猫の目、上り目、下り目、
団栗目、いろいろなのがぱちくるのみ。
見るにいつ落せしや九十兩の
金見えざりければ三吉は
駭驚仰天して立歸り
猿眼に成て能々尋ねけれ共
人通り多き所ゆゑ一向に
跡形もなし依て又々元の手ふりとなりければ
再び本郷の甲州屋へ行仁左衞門に右の事を
沢庵を洗い立てたるように色揚げしたる
編片の古帽子の下より、
奴は
猿眼を
晃かして
愛吉は穏かならぬ
猿眼で、きょろきょろと
四辺を見たが、たちまち
衝と立上った。
要こそあれ滅多
当に
拳を廻して、砂煙の
渦くばかり、くるくる舞して働きながら、
背後から割って出て、柳屋の
店頭に
突立った、
蚰蜒眉の、
猿眼の、
豹の額の、
熟柿の
呼吸の、蛇の舌の
童は
猿眼で
稚いのを
見ると
苦笑をして