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物差
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ものさし
ふりがな文庫
“
物差
(
ものさし
)” の例文
ちょうどそれは
物差
(
ものさし
)
で計ったように、しぜんに、かれは天上のうごきをからだに受けながら、その
意志
(
こころ
)
を継いでゆくもののようでした。
寂しき魚
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
見ると、ただ輪廓のぼんやりした
明
(
あか
)
るいなかに、
物差
(
ものさし
)
の
度盛
(
どもり
)
がある。
下
(
した
)
に2の字が出た。野々宮君がまた「どうです」と聞いた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
Cは、うつむいてばかりいるので仔細な顔は解らないが、
物差
(
ものさし
)
を執って、一心に木片の寸法をとっている様子である。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
仕立師の名人でね、晩年に失明しましたが、どこへ出るにも不自由のくせに、
物差
(
ものさし
)
を取らせると、分厘までも
違
(
たが
)
わずピタリと差す老人を拙者は知っていますがね
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは、まだ子供のこととて、
羊羹
(
ようかん
)
の折を道具箱にしたもので、切り出し、丸刀、
鑿
(
のみ
)
、
物差
(
ものさし
)
などが
這入
(
はい
)
っていた。これが助かったので、
後
(
あと
)
に大変役に立ちました。
幕末維新懐古談:15 焼け跡の身惨なはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
この時間の長短は然し人生と芸術との価値をはかる
物差
(
ものさし
)
とはならないものだ。作家にとって大切なのは言うまでもなく自分の一生であり人生であって、作品ではなかった。
教祖の文学:――小林秀雄論――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
源
(
げん
)
だの、
六
(
ろく
)
だの、
腕白
(
わんぱく
)
どもの多い中に、
坊
(
ぼう
)
ちやん/\と別ものにして
可愛
(
かわい
)
がるから、姉はなし、
此方
(
こなた
)
からも
懐
(
なつ
)
いて、ちよこ/\と入つては、
縫物
(
ぬいもの
)
を
交返
(
まぜかえ
)
す、
物差
(
ものさし
)
で刀の真似
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼奴
(
あいつ
)
は
物差
(
ものさし
)
こそ持っていないが、ひと目
睨
(
にら
)
めば大砲の寸法も分っちまうという
目測
(
もくそく
)
の大家に違いありませんよ。あんな奴が、帝都の白昼を悠々歩いているなんざ、全く愕きますよ
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
謂はば、錯亂への凝視であり、韋駄天に於ける計量であり、激憤絶叫への
物差
(
ものさし
)
であり、
眩暈
(
めまひ
)
の定着である。かれは、沈默に於ける言葉、色彩をさへ、百發百中、美事に指定しようとする。
「人間キリスト記」その他
(旧字旧仮名)
/
太宰治
(著)
それは何でも果てなしに続くという不思議の力であった。この女が布を機から
卸
(
おろ
)
して
物差
(
ものさし
)
で測り出すと、何尺取ってもその跡がまだ残っている。それでたちまち大金持になってしまった。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それが、まるで精密な計量器で
計
(
はか
)
った様に、キチンと八分目なのだ。二つのグラスは
全
(
まった
)
く同形だし、それらの位置も、テーブルの中心点からの距離が、
物差
(
ものさし
)
を当てた様に一
分
(
ぶ
)
一
厘
(
りん
)
違っていない。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「だって、先生、刀と
物差
(
ものさし
)
とは違いましょう」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思