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煨
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おき
ふりがな文庫
“
煨
(
おき
)” の例文
そのグローマン風に分けた長い銀色をした
頭髪
(
かみのけ
)
の下には、狂暴な光に燃えて紅い
煨
(
おき
)
を
凝然
(
じいっ
)
と
瞶
(
みつ
)
めている二つの眼があった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
破
(
やぶ
)
れた
草葺
(
くさぶき
)
の
家
(
いへ
)
をゆさぶつて
西風
(
にしかぜ
)
がごうつと
打
(
う
)
ちつけて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
には
火鉢
(
ひばち
)
の
煨
(
おき
)
はまだ
白
(
しろ
)
く
灰
(
はひ
)
の
皮
(
かは
)
を
被
(
かぶ
)
つて
暖
(
あたゝ
)
かゝつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「うむ、
煨
(
おき
)
はもちろん、場合によっては、家も衣も、進ぜようがのう。したが女、そちはどこからまいったのじゃ」
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
何物
(
なにもの
)
をも
吹
(
ふ
)
き
拂
(
はら
)
はねば
止
(
や
)
むまいとする
疾風
(
しつぷう
)
は、
赤
(
あか
)
い
煨
(
おき
)
を
包
(
つゝ
)
む
白
(
しろ
)
い
灰
(
はひ
)
を
寸時
(
すんじ
)
の
猶豫
(
いうよ
)
をも
與
(
あた
)
へないで
吹
(
ふ
)
き
捲
(
まく
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
卯平
(
うへい
)
は
腰
(
こし
)
の
疼痛
(
いたみ
)
に
惱
(
なや
)
まされて、
餘計
(
よけい
)
にかさ/\と
乾
(
から
)
びて
硬
(
こは
)
ばつて
居
(
ゐ
)
る
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かし
難
(
がた
)
くなると
彼
(
かれ
)
は一
塊
(
くわい
)
の
煨
(
おき
)
もない
火鉢
(
ひばち
)
を
枕元
(
まくらもと
)
に
置
(
お
)
いて
凝然
(
ぢつ
)
と
蒲團
(
ふとん
)
を
被
(
かぶ
)
つた
儘
(
まゝ
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
「なに、
奇異
(
ふしぎ
)
な童謡を⁉」といったんは
吃驚
(
びっくり
)
して、煖炉の
煨
(
おき
)
から法水の顔に視線を跳ね上げたが
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そこで私は、まったく
慌
(
あわ
)
てふためいて、手早く
煨
(
おき
)
を
蹴散
(
けち
)
らしながら、取りだした二冊の書物があった。ああ、すんでのことに私は、貴重な資料を焼き捨ててしまうところだった。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
とそれから
煖炉
(
ストーブ
)
の前で、法水は紅い
煨
(
おき
)
に手をかざしながら続けた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
煨
部首:⽕
13画
“煨”を含む語句
段煨
煨燼
煨燼中