火箭くわせん)” の例文
なにたもありません、本船ほんせん左舷さげん後方こうほう海上かいじやうあたつて星火榴彈せいくわりうだん一次いちじ一發いつぱつ火箭くわせん、それが難破船なんぱせん信號しんがうであるくらゐりませんか。
一切の思想——つまり一切の精神が、この二時間のうちに、機を覗ひ時を待つて、吾が舌端より火箭くわせんとなつて迸しる。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
同時どうじ星火せいくわはつする榴彈りうだんはつぱつくうび、つゞいて流星りうせいごと火箭くわせんは一ぱつ右方うはう左方さはうながれた。
機を覗ひ時を待つて、吾が舌端より火箭くわせんとなつてほとばしる。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
左舷さげん當番たうばん水夫すゐふいまたしか星火せいくわほとばしり、火箭くわせん慘憺さんたんたる難破船なんぱせん信號しんがうみとめてるには相違さうゐないのだが、何故なぜ平然へいぜんとしてどうずるいろもなく、籠手こてかざして其方そなたながめてるのみ。