漂泊へうはく)” の例文
東京とうきやういへたゝむとき宗助そうすけ先祖せんぞ位牌ゐはいひとのこらずたづさえて、諸所しよしよ漂泊へうはくするのわづらはしさにえなかつたので、あたらしいちゝ分丈ぶんだけかばんなかをさめて、其他そのたこと/″\てらあづけていたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それでも勘次かんじ卯平うへいそばいやなのでもどらないといふつもり村落むら漂泊へうはくした。また土地とちかへつてると、はたけてもてもおしなせまつてるので、かれ農具のうぐてゝげることさへあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
漂泊へうはくうれひをじよしてらざりし
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)