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清水谷
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しみづだに
……と
言ふ
隙に、
何の、
清水谷まで
行けばだけれど、
要するに
不精なので、
家に
居ながら
聞きたいのが
懸値のない
處である。
彼の
云ふ
所によると、
清水谷から
辨慶橋へ
通じる
泥溝の
樣な
細い
流の
中に、
春先になると
無數の
蛙が
生れるのださうである。
井戸は江戸時代にあつては
三宅坂側の
桜ヶ
井も
清水谷の
柳の
井、
湯島の
天神の
御福の
井の如き、古来江戸名所の
中に数へられたものが多かつたが
さうして
夫等の
愛に
生きるものが
重ならない
許に
隙間なく
清水谷から
辨慶橋へ
續いて、
互に
睦まじく
浮てゐると、
通り
掛りの
小僧だの
閑人が、
石を
打ち
付けて
私は
何時か
清水谷の
公園の
前を
通つて
驚ろいた
事がある