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残喘
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ざんぜん
ふりがな文庫
“
残喘
(
ざんぜん
)” の例文
肴は丈夫なものだと説明しておいたが、いくら丈夫でもこう焼かれたり煮られたりしてはたまらん。多病にして
残喘
(
ざんぜん
)
を
保
(
たも
)
つ方がよほど結構だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
要するに、予の
半生
(
はんせい
)
将死
(
しょうし
)
の気力を
蘇
(
そ
)
し、やや
快
(
こころよ
)
くその
光陰
(
こういん
)
を送り、今なお
残喘
(
ざんぜん
)
を
延
(
の
)
べ得たるは、
真
(
しん
)
に先生の
賜
(
たまもの
)
というべし。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
が、その座には秋の蚊が
残喘
(
ざんぜん
)
を保っていて、時々人の肌を襲いに来る、という意味の句らしい。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
では、この六週間の苦悶とこの一日じゅうの
残喘
(
ざんぜん
)
とは、いったい何なのか。こんなに徐々にまたこんなに早くたってゆくこの取り返しのつかぬ一日の苦悩は、いったい何なのか。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
新しい潮流が何べんとなくやって来ては、あたりの店の外観をかえショウウインドーの飾りつけをかえ、そこらにわずかに
残喘
(
ざんぜん
)
を保つようにして
巴渦
(
うず
)
を巻いている昔の街のさまをかえた。
日本橋附近
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
光
(
ひかり
)
滑々
(
かつかつ
)
たる先生の禿げ頭で、これまた後頭部のあたりに、
種々
(
しょうしょう
)
たる
胡麻塩
(
ごましお
)
の髪の毛が、わずかに
残喘
(
ざんぜん
)
を保っていたが、大部分は
博物
(
はくぶつ
)
の教科書に画が出ている
駝鳥
(
だちょう
)
の卵なるものと相違はない。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新島襄君は是を以て「コンクレゲーショナリスツ」の一派を結び、我日本の精神世界に運動を試みたり、孔夫子は嘗て、是を以て、支那の人心を結びたり、今日も猶其
残喘
(
ざんぜん
)
を保ちつゝあり
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
俳句は享保に至りて芭蕉門の英俊多くは死し、
支考
(
しこう
)
、
乙由
(
おつゆう
)
らが
残喘
(
ざんぜん
)
を保ちてますます俗に堕つるあるのみ。明和以後
枯楊櫱
(
こようひこばえ
)
を生じて漸く春風に吹かれたる俳句は天明に至りてその盛を極む。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
文壇の大家になると、古手の思想が
凝固
(
こりかた
)
まって、其人の吾は之に圧倒せられ、
纔
(
わずか
)
に
残喘
(
ざんぜん
)
を保っているようなのが幾らもある。斯ういう人が、現実に触れると、気の毒な程他愛の無い人になる。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
それといふのも
潮
(
うしほ
)
の
音
(
おと
)
が、さても巨いな
残喘
(
ざんぜん
)
のごと
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
鼻は——あの
顋
(
あご
)
の下まで下っていた鼻は、ほとんど嘘のように萎縮して、今は
僅
(
わずか
)
に上唇の上で意気地なく
残喘
(
ざんぜん
)
を保っている。所々まだらに赤くなっているのは、恐らく踏まれた時の
痕
(
あと
)
であろう。
鼻
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
俳句は享保に至りて芭蕉門の英俊多くは死し、支考、
乙由
(
おつゆう
)
らが
残喘
(
ざんぜん
)
を保ちてますます俗に
堕
(
お
)
つるあるのみ。明和以後
枯楊孽
(
こようげつ
)
を生じてようやく春風に吹かれたる俳句は天明に至りてその盛を
極
(
きわ
)
む。
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
呼吸は
間歇的
(
かんけつてき
)
になり、わずかな
残喘
(
ざんぜん
)
にも途切らされた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“残喘”の意味
《名詞》
長くはない命。余生。
(出典:Wiktionary)
残
常用漢字
小4
部首:⽍
10画
喘
漢検1級
部首:⼝
12画
“残”で始まる語句
残
残酷
残念
残骸
残余
残虐
残滓
残忍
残燈
残惜