極秘ごくひ)” の例文
他人には極秘ごくひだが、おふくろへなら話してもかまうまい。問わず語りに、そういって自慢ばなしに喋舌しゃべるのだった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なおもって彼の草稿そうこう極秘ごくひに致し置、今日に至るまで二、三親友の外へは誰れにも見せ不申候もうさずそうろう是亦これまた乍序ついでながら申上候もうしあげそうろう。以上。
しかもこの最地階へおりる入口は、極秘ごくひ中の極秘になっていて、博士以外の者には分からないはずだった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すると或時あるとき神様かみさまは、そちむねいだいていることぐらいは、なにもくわしくわかっているぞ、とおおせられて、わたくしいままで極秘ごくひにしてった、あるひとつの事柄ことがら……大概たいがいさっしでございましょうが
マンは、お葉と蛭子神社の境内で逢ったことは、隠さなかったけれども、話の内容については、極秘ごくひにした。自分一人の胸におさめていた。そして、金五郎には、奇妙な微笑を浮かべて
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
しからじ、願ふは極秘ごくひ、かのしきくれなゐの夢
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しかし、敵にとっても、味方にとっても、極秘ごくひのうちに、それが、進められていたのは、いうまでもない。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、展覧会場ではない、これは針目博士が、他人にのぞかせることをきらっている密室のひとつなのであるから、極秘ごくひの生きている標本室ひょうほんしつといった方がいいのだろう。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
、私は調べてみましたが、それはどうやらメキシコで発明された極秘ごくひのBB火薬らしいのです。この火薬の秘密が、何者かの手によって外へ洩れて大問題になっているのです
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
メキシコで発明された極秘ごくひの新火薬BB火薬のことは前にのべた。BB火薬はすこぶる爆破力が大きい新火薬で、しかもこの火薬は、ほんの少量で、ものすごいきき目がある。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「おい、スピードのことは、ちゃんとわかっているのだぞ。極秘ごくひの陸軍試験月報によれば、地底戦車は、地中では最高三十五キロ、海底では、百五十キロまで出ると発表されているぞ」
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これは今夜はじめて諸君にかぎり発表する最高の機密であるが、実は、わがイギリス軍は、最早もはや如何いかんともすべからざる頽勢たいせいを一挙に輓回ばんかいせんがために、ここに極秘ごくひの作戦を研究しようとしている。
「はい。このままで放って置けば何日何時間たっても、遂に人造人間隊でございますが、必要に応じて、司令部より、極秘ごくひの強力電波をさっと放射いたしますと、これがたちまち戦車となります」
私はいつの間にか、極秘ごくひの潜水艇の外に出ていたのである。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)