棚田たなだ)” の例文
丘窪の冬の棚田たなだはねもごろにうれしき棚田。寂び寂びて明るき棚田。たまさかに鶸茶の刈田、小豆いろ、温かきいろ、うち湿しめる珈琲のつち
くもくもきたり、やがてみづごとれぬ。白雲しらくも行衞ゆくへまがふ、蘆間あしまふねあり。あは蕎麥そば色紙畠しきしばたけ小田をだ棚田たなだ案山子かゝしとほ夕越ゆふごえて、よひくらきにふなばたしろし。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
る、かぜなくしてそのもみぢかげゆるのは、棚田たなだ山田やまだ小田をだ彼方此方あちこちきぬたぬののなごりををしんで徜徉さまよさまに、たゝまれもせず、なびきもてないで、ちからなげに
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)