村落むら)” の例文
本郷の村落むらを通って、みちはまた土手の上にのぼった。昨日向こう岸から見て下った川を今日はこの岸からさかのぼって行くのである。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
勘次かんじ菜種油なたねあぶらのやうに櫟林くぬぎばやしあひせつしつゝ村落むら西端せいたん僻在へきざいして親子おやこにんたゞ凝結ぎようけつしたやうな状態じやうたいたもつて落付おちついるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
越後の頸城郡くびきこほり松の山は一庄いつしやう総名そうみやうにて、許多あまた村落むら併合あはしたる大庄也。いづれも山あひ村落むら/\にして一村の内といへども平地なし。たゞ松代といふ所のみ平地にて、農家のうかのきつらぬ。
里程みちのりにして約二里半を足に任せてお逃げなさい。そうしたら村落むらに行きつくでしょう。沙漠に立っている羅布ロブ人の村! 人口は約二百人、飲まれる泉が湧いています。青々と常磐木ときわぎが茂っています。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
村落むらから二八の春を
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
村落むらはしからはしまでみなどう一の仕事しごと屈託くつたくしてるのだから季節きせつ假令たとひ自分じぶんわすれたとしてもまつたわすることの出來できるものではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
村落むらあんさ、何處どこつちつたつて場所ばしよはねえんですから、なあにひとりでせえありやけえつてふところはえゝんでがすから」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)