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朱盆
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しゅぼん
ふりがな文庫
“
朱盆
(
しゅぼん
)” の例文
すると今も夕日は
朱盆
(
しゅぼん
)
のように大きく
膨
(
ふく
)
れた顔を、水平線の上に浸そうというところだった。それはいつに変らぬ平和な入日だった。
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
朱盆
(
しゅぼん
)
みたいな顔をした、恐ろしいお化けに出会い、キャッと云って逃げ出して、別の町角まで来ると、よその小父さんに出会ったので、そのことを話す。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と
裳
(
もすそ
)
をずりおろすようにして
止
(
と
)
めた顔と、まだ
掴
(
つか
)
んだままの
大
(
おおき
)
な銀貨とを
互
(
たがい
)
に
見較
(
みくら
)
べ、
二個
(
ふたり
)
ともとぼんとする。時に
朱盆
(
しゅぼん
)
の口を開いて、
眼
(
まなこ
)
を
輝
(
かがやか
)
すものは何。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その時、
穴
(
あな
)
に入るまえはらんらんとかがやいていた太陽が、もう西へまわって
朱盆
(
しゅぼん
)
のように赤くくすんでいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薄い
靄
(
もや
)
の中に、
応挙風
(
おうきょふう
)
の
朱盆
(
しゅぼん
)
のような
旭
(
あさひ
)
がのぼり、いかにもお正月らしいのどかな朝ぼらけ。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
主人は一応この三女子の顔を公平に見渡した。とん子の顔は
南蛮鉄
(
なんばんてつ
)
の刀の
鍔
(
つば
)
のような
輪廓
(
りんかく
)
を有している。すん子も妹だけに多少姉の
面影
(
おもかげ
)
を存して
琉球塗
(
りゅうきゅうぬり
)
の
朱盆
(
しゅぼん
)
くらいな資格はある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その「火の玉」少尉は、田毎大尉と旧友戸川中尉との前を辞するときに、一段とかたちを
改
(
あらた
)
め顔面を
朱盆
(
しゅぼん
)
のごとに
赫
(
あか
)
くして
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
朱盆
(
しゅぼん
)
のように大きくて赤い朝日が、その朝、ことにふかくたちこめた海上の朝霧のかなたに、ぼんやりと見えます。
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
課長は何か書類を見ていたが、呼びかけられて顔をあげると、見る見る顔が
朱盆
(
しゅぼん
)
のようにまっ赤になった。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だから、
若
(
わか
)
い船員たちは、或る者は、紙のように白い顔となり、また或る者は
朱盆
(
しゅぼん
)
のように、真赤な顔になっていた。一等運転士が、それをしきりに、止めている。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
流石の大江山課長も今度は
朱盆
(
しゅぼん
)
のように真赤になって、声もなく、ただ苦し気に
喘
(
あえ
)
ぐばかりだった。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
虎隊長は、
朱盆
(
しゅぼん
)
のようなかおをして、自ら
舵器
(
だき
)
を握っている。船は飛ぶ。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
田鍋課長は、満面を
朱盆
(
しゅぼん
)
のように
赭
(
あか
)
くして、膝を叩いて
呻
(
うな
)
った。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
目賀野は、満身
朱盆
(
しゅぼん
)
のようになって、臼井を
怒鳴
(
どな
)
りつけた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
朱
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
盆
常用漢字
中学
部首:⽫
9画
“朱”で始まる語句
朱
朱塗
朱雀
朱鞘
朱鷺色
朱実
朱欒
朱羅宇
朱総
朱泥