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朱塗
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しゅぬ
ふりがな文庫
“
朱塗
(
しゅぬ
)” の例文
奪られたお弁当箱は、祖母が根負けして買ってくれた
朱塗
(
しゅぬ
)
りの三ツ重ねの、
小
(
ち
)
いさい丸いので、女中が持ってきて置いていったばかりのだった。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
父は「何だそんな
朱塗
(
しゅぬ
)
りの
文鎮
(
ぶんちん
)
見たいなもの。
要
(
い
)
らないから早くそっちへ持って行け」と怒った昔を思い出した。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは
三輪
(
みわ
)
の
社
(
やしろ
)
の
大物主神
(
おおものぬしのかみ
)
が、
勢夜陀多良媛
(
せやだたらひめ
)
という女の方のおそばへ、
朱塗
(
しゅぬ
)
りの矢に化けておいでになり、
媛
(
ひめ
)
がその矢を持っておへやにおはいりになりますと
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
彼
(
かれ
)
は、
古
(
ふる
)
びた、
朱塗
(
しゅぬ
)
りの
仏壇
(
ぶつだん
)
の
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
っても、なんのことも
感
(
かん
)
じなくなりました。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
無論
(
むろん
)
それは
言
(
い
)
わば
刀
(
かたな
)
の
精
(
せい
)
だけで、
現世
(
げんせ
)
の
刀
(
かたな
)
ではないのでございましょうが、しかしいかに
査
(
しら
)
べて
見
(
み
)
ても、
金粉
(
きんぷん
)
を
散
(
ち
)
らした、
濃
(
こ
)
い
朱塗
(
しゅぬ
)
りの
装具
(
つくり
)
といい、
又
(
また
)
それを
包
(
つつ
)
んだ
真紅
(
しんく
)
の
錦襴
(
きんらん
)
の
袋
(
ふくろ
)
といい
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
そのまずい
面
(
つら
)
を眺めてあッ気にとられたのは道中師の伊兵衛で、
朱塗
(
しゅぬ
)
りの
広蓋
(
ひろぶた
)
に飲みちらした酒の徳利や小皿があり、そばには木枕がころがッていますから、馬春堂の留守にここへ来るなり
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町の家の峯をかけ、岡の中腹を横に白布をのしたように
炊
(
かし
)
ぎの煙が、わざとらしくたなびいている。岡の東端ひときわ
木立
(
こだち
)
の深いあたりに、
朱塗
(
しゅぬ
)
りの不動堂がほんのりその木立の上に浮きだしている。
紅黄録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
仰向
(
あおむけ
)
に寝ながら、偶然目を
開
(
あ
)
けて見ると
欄間
(
らんま
)
に、
朱塗
(
しゅぬ
)
りの
縁
(
ふち
)
をとった
額
(
がく
)
がかかっている。
文字
(
もじ
)
は寝ながらも
竹影
(
ちくえい
)
払階
(
かいをはらって
)
塵不動
(
ちりうごかず
)
と明らかに読まれる。
大徹
(
だいてつ
)
という
落款
(
らっかん
)
もたしかに見える。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
朱塗
(
しゅぬ
)
りの
木履
(
ぼくり
)
を
転
(
まろ
)
ばせて行きます。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
塗
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
“朱塗”で始まる語句
朱塗土器