春日山かすがやま)” の例文
弘治こうじ三年(一五五七)七月、越後えちごのくに春日山かすがやまの城中では、いま領主うえすぎ謙信けんしんを首座として、信濃しなのへ出陣の軍議がひらかれていた。
城を守る者 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それは春日山かすがやま駅といって、直江津と高田との中間にある小駅だった。ちょうど東京方面へゆく列車が出ようという間ぎわだった。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さて去年、越中に出馬して、辺境の乱を討伐した謙信は、居城春日山かすがやまへ帰って、よろいを解くいとまもなく、またまた上州厩橋うまやばしの管領上杉家から
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに、第九師団衛戍えいじゅ病院の白い分院がある。——薬師寺、万松園まんしょうえん春日山かすがやまなどと共に、療養院は、山代の名勝に入っている。絵はがきがある。御覧なさい。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今朝けさあさかりがねきつ春日山かすがやまもみぢにけらしがこころいたし 〔巻八・一五二二〕 穂積皇子
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
伽婢子おとぎぼうこ」巻の十二に「大石おおいし相戦あいたたこう」と題して、上杉謙信うえすぎけんしん春日山かすがやまの城で大石が二つある日の夕方しきりにおどり動いて相衝突し夜半過ぎまでけんかをして結局互いに砕けてしまった。
化け物の進化 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ここに少憩して付近のしょうを探ぐり、はるかに左方春日山かすがやま城跡じょうせきおいで、曠世こうせいの英傑上杉輝虎てるとらの雄図をしのび、夕陽せきよう斜めに北海の怒濤どとうてらすの夕闇に、うしおりの物凄き響きをききつつ
持って、越後へ行きます。そして、景勝様の春日山かすがやまに、そのまま、質子ちしとして、留まりますが、必ず、景勝様の出馬を実現せずにはおきません
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春日山かすがやまおしてらせるこのつきいもにはにもさやけかりけり 〔巻七・一〇七四〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
春日山かすがやま太守たいしゅ景勝様には、当城に御在陣ときき、主人羽柴筑前守様にも、千載せんざいの好機なれ、ぜひとも、一夕いっせきお会い申したいと、陣旅じんりょ寸暇すんかをさいて、富山よりこれへ参ってござる。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわちあれが能登のとの半島、また、うしろに見える山々は、白馬はくば戸隠とがくし妙高みょうこう赤倉あかくら、そして、武田家たけだけしのぎをけずった謙信けんしんの居城春日山かすがやまも、ここよりほど遠からぬ北にあたっておる
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(いや、すでに春日山かすがやまを発し、陣中で)
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おう。春日山かすがやま殿よな」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)