早道はやみち)” の例文
その秘密をとくのには、子どもの幸ちゃんをときふせて、はくじょうさせるのが、いちばん早道はやみちだと思いました。
天空の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
私共わたしども石器時代せつきじだい遺蹟いせきさがすには、石器せつきをつけるよりも、田圃たんぼなからばつてゐる土器どき破片はへんつけることが一番いちばん早道はやみちだとおもはれるくらゐであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しかも佐竹家が率先してつとにこれを崇敬すうけいした動機は、すぐれて神通力という中にも、特に早道はやみち早飛脚はやびきゃくで、しばしば江戸と領地との間に吉凶を報じた奇瑞きずいからであった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
長八は何心なくるに羽織の定紋と云ひなり恰好かつかう大恩受たる大橋文右衞門樣に髣髴よくにたるは扨も不思議なりと思ながら腰の早道はやみちより錢七八文出して手の内にやりければ浪人者是は/\有難う存じますと云し其物語そのものごしまで彌々いよ/\文右衞門にたるゆゑ長八は忽ち十八年の昔時むかし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彌勒町みろくまちなる吉野屋へ拘引つれて行て渡さうかそれよりすぐに濱松へ賣てくれるが早道はやみちだイヤ/\歩行あるけと引立るに女は涙聲なみだごゑふるはせ私は其樣な者ではない二世までかけし夫の有身金がほしくば此へんに知る人あれば其家まで行たる上は幾干いくらでものぞみの通り上ます程に何卒ゆるして/\と詫るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)