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挺
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てこ
ふりがな文庫
“
挺
(
てこ
)” の例文
そして角燈を地上に置くと、石の端の下へ
挺
(
てこ
)
の先を押入れて、其石を擡げ始めた。石が自由になると彼は更に寄生植物を
取除
(
とりの
)
けにかゝつた。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
伊作を
庇
(
かば
)
いだすと、
挺
(
てこ
)
にもおえなくなるのが、むかしからの例だから、これはもう、きいても無駄だと思って、せんさくをするのはやめにした。
野萩
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「さあ、引渡せ、そうでなきゃあ団扇で煽げ、」と愛吉は
仰向
(
あおむ
)
けに寝て大の字
形
(
なり
)
、
挺
(
てこ
)
でも動きそうな様子はない。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と森松は
懊
(
じ
)
れこんでいくらいっても動きません。其の筈で森松などから見ると三十段も
上手
(
うわて
)
の悪党でござりますから、長手の
火鉢
(
ひばち
)
の
角
(
すみ
)
の所へ坐ったら
挺
(
てこ
)
でも動きません。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
たった一つこれだけは
漁
(
あさ
)
り続けて来たつもりの食味すら、それに
纏
(
まつわ
)
る世俗の諸事情の方が多くて自分を意外の方向へ押流し、使い
廻
(
まわ
)
す
挺
(
てこ
)
にでもなっているような気がする。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
ところがこうした彼が往来へ突っ立ったが最後、実際、彼は「
挺
(
てこ
)
でも動かない」のである。
沼畔小話集
(新字新仮名)
/
犬田卯
(著)
あまり美しくもなく、その単純な性質と
温和
(
おとな
)
しさが何よりの取柄だつた娘のあいは、知吉にどんな魅力を感じたものか父親の意見には
挺
(
てこ
)
でも動かない大胆さを示したのである。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
こうなると
挺
(
てこ
)
でも動かぬことは知れている。もう引揚げるより他にない。人々はそう悟った……図書はその気配を見て取ったので、すぐ
銚子
(
ちょうし
)
と土器を命じて別盃を交わし、猶予なく人々を退去させた。
三十二刻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこで
僧院長
(
アベ
)
セラピオンは鶴嘴と
挺
(
てこ
)
と角燈とを整へて、わし達二人は真夜中に場所も位置も彼のよく知つてゐる——の墓地へ出かけたのであつた。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
「梅雨あけに、
医師
(
せんせい
)
と、この骨さ拾いに来っけ。そんころの雨に緩んだだね。
腕車
(
くるま
)
もはい、
持立
(
もった
)
てるようにしてここまでは
曳
(
ひ
)
いて来ただが、
前
(
さき
)
あ
挺
(
てこ
)
でも動きましねえでね。」
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とぼけたりするところを見ると、たしかになにかあったのらしいが、伊作をかばいだしたら
挺
(
てこ
)
にもおえなくなるのがむかしからの例なので、きいても無駄だと思ってやめにした。
ユモレスク
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
胸へばかり込上げる——その胸を一寸ずつ戸擦れに土間へ向けて
斜違
(
はすか
)
いに
糶出
(
せりだ
)
すんですがね、どうして、
掴
(
つか
)
まった手は、段々堅く板戸へ喰入るばかりになって、
挺
(
てこ
)
でも足が動きません。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
挺
漢検準1級
部首:⼿
10画
“挺”を含む語句
一挺
鉄挺
三挺
挺立
半挺
挺身
変挺
挺子
挺身隊
挺然
二挺
變挺
金挺
挺櫓
幾挺
牽挺
木挺役
挺進
焦挺
李挺
...