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挙措
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きょそ
ふりがな文庫
“
挙措
(
きょそ
)” の例文
旧字:
擧措
……汀はさすがに部屋から出なかったが、藤六は炉端へ出て人々の話を聴きながら、いつも眼はその老人の
挙措
(
きょそ
)
に見いっていたのである。
足軽奉公
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして、自分の子が産まれてからというものは、さらに深刻な疑い深いと思えるほどの眼光を、家内の
挙措
(
きょそ
)
に注いだのである。
盗難
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
男は日露戦争中負傷の際に気が狂って以来ずっと
茲
(
ここ
)
の
病房
(
びょうぼう
)
の患者であるそうですが、病状は慢性な
代
(
かわ
)
りに
挙措
(
きょそ
)
は極めて温和で安全であると聞きました。
病房にたわむ花
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
平静な時は読書に一日を費しているが、
挙措
(
きょそ
)
動作が何処やら異っているので警戒しなくてはならないと見られた。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
水城
(
みずき
)
の戸を出れば、われ先きに箱崎の津へと必死になって落ちて行く。宮中の礼儀も、
挙措
(
きょそ
)
の優雅もあったものではない。そして強風を交えた豪雨である。
現代語訳 平家物語:08 第八巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
四歳の頃より
舞
(
まい
)
を習いけるに
挙措
(
きょそ
)
進退の法
自
(
おのずか
)
ら備わりてさす手ひく手の
優艶
(
ゆうえん
)
なること
舞妓
(
まいこ
)
も及ばぬほどなりければ、師もしばしば舌を巻きて、あわれこの
児
(
こ
)
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お払い箱というときは
襟首
(
えりくび
)
をつままれて、腰骨を蹴られてポンと
抛
(
ほう
)
りだされるが、これも
挙措
(
きょそ
)
動作がひじょうな誇張のもとに行われる、南米のラテン型の一つ。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
与えられた範囲で常に最善を尽くすという師の
智慧
(
ちえ
)
の大きさも判るし、常に後世の人に見られていることを意識しているような孔子の
挙措
(
きょそ
)
の意味も今にして始めて頷けるのである。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
懇切な優雅さ、意地悪と品位とを保ちながら愛想を見せることのできる、
挙措
(
きょそ
)
のやさしさ、または、眼差や微笑や、機敏で
呑気
(
のんき
)
で懐疑的で雑多で軽快である才知などの、高雅な繊細さ。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
むだ使いは一切つつしみ、三十歳を少し出たばかりの若さながら、しこたまためて底知れぬ大長者になり、立派な
口髭
(
くちひげ
)
を
生
(
は
)
やして
挙措
(
きょそ
)
動作も重々しく、山賊には
附
(
つ
)
き
物
(
もの
)
の
熊
(
くま
)
の毛皮などは着ないで
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それは広間で甲斐になにごとか囁かれてからのことだが、顔つきも
挙措
(
きょそ
)
もおちつきを失い、言葉も常になく堅苦しくなった。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
で、
如何
(
いか
)
に、
挙措
(
きょそ
)
を解放するにしても、常に
或
(
ある
)
程度の
収攬
(
しゅうらん
)
を、おのずから自分の上に忘れてはいけません。
女性の不平とよろこび
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
警抜なる
挙措
(
きょそ
)
、愛すべき図々しさ。なんという、スッキリとした厭味のないやつだろう。しかし、この男が何者かということは、ほぼ彼に想像がついていたのだ。泥坊か、密輸入者か
故買者
(
けいずかい
)
か。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
自然、日常の
挙措
(
きょそ
)
も、こころがまえも、ほかの青年たちとは違ったし、なにを見、なにを考えるにも、藩の将来と結びつけないためしはなかった。
蘭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
このひと月あまりのうちにどことなく変ってきた妻の
挙措
(
きょそ
)
が、あれこれと新らしく思い返されて心が重くなるのだった。
日本婦道記:尾花川
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
縹緻
(
きりょう
)
もぬきんでているし、
挙措
(
きょそ
)
もおっとりと優雅で、色や香りの濃厚な花を連想させるちぐさとは、あまりに違っているし、そのうえふしぎなことに
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
また土田正三郎も平生はもっと話をするし、動作や
挙措
(
きょそ
)
もまわりの人たちと変ったところはなかった。
饒舌りすぎる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこでしぜんみつ枝嬢のとりこになる順序なのだが、……彼に対するみつ枝の関心、ないしその
挙措
(
きょそ
)
言動はいよいよ親密になり、ときに
甚
(
はなは
)
だ
濃艶
(
のうえん
)
を呈するようになった。
百足ちがい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は十七歳になり、もちろん元服しているし、背丈も伸び、
躯
(
からだ
)
もかなり
逞
(
たくま
)
しくなったが、顔だちや
挙措
(
きょそ
)
はまだ少年らしく、二つ年下の宇乃のほうが、はるかにおとなびてみえた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「ふさどのはよほどお育ちがよいようでございますな」と吉塚が云った、「気性もしっかりしておられるし、
挙措
(
きょそ
)
動作も優雅で、
手蹟
(
しゅせき
)
のみごとなことはちょっと類のないくらいです」
その木戸を通って
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
おもやつれはしているが、
挙措
(
きょそ
)
もおちついているし、言葉もはっきりと力があった。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
注意を凝らせて杉田庄三郎の
挙措
(
きょそ
)
を視た。
菊屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“挙措”の意味
《名詞》
挙げることと置くこと。
職務の任免。
立ち居振舞い。挙動。
(出典:Wiktionary)
挙
常用漢字
小4
部首:⼿
10画
措
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“挙措”で始まる語句
挙措振舞