拝領はいりょう)” の例文
旧字:拜領
これは由緒ゆいしょある御方おかたからはは拝領はいりょう懐剣かいけんであるが、そなたの一しょう慶事よろこび紀念きねんに、守刀まもりがたなとしておゆずりします。肌身はだみはなさず大切たいせつ所持しょじしてもらいます……。
駄目だめッてことよ。橘屋たちばなや若旦那わかだんなは、たとえお大名だいみょうから拝領はいりょう鎧兜よろいかぶとってッたって、かねァ貸しちゃァくれめえよ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
若君から般若丸長光はんにゃまるながみつの名刀を拝領はいりょうしたではないか、さ、元気をだして、きょうからそれをりょうとするがいい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まで喜びもしなければ、品物が粗末だといって苦情もわず、ただ難有ありがとうございますと云て拝領はいりょうして
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その表には、同じくお家流で「拝領はいりょう」と記されてあります。
人でなしの恋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「俺が採ったのじゃない。お役中に、誰がそんな閑事ひまごとをしているものか。……御母堂様から拝領はいりょうしたのだ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
即ち御紋服ごもんぷく拝領はいりょうだ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
秀吉ひでよしさまのお気に入り者となりまして、てんおか寺領じりょうと、南蛮寺なんばんじ拝領はいりょういたし、裾野すそのいらいの一丹羽昌仙にわしょうせん蚕婆かいこばばあ燕作えんさくなど、みなそこに住居すまいをいたしております
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、よくのふかい呂宋兵衛は、もう南蛮寺を拝領はいりょうしたようなつもりで、すっかりここに根をやし、またボツボツと浪人者ろうにんもの山内さんないへあつめて、あわよくば、一こくじょうあるじをゆめみている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)