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拗切
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ちぎ
さういふ
伴侶の
殊に
女は
人目の
少い
黄昏の
小徑につやゝかな
青物を
見ると
遂した
料簡からそれを
拗切つて
前垂に
隱して
來ることがある。
雨が
稀にしんみりと
降つても
西風は
朝から一
日青い
常緑木の
葉をも
泥の
中へ
拗切つて
撒布らす
程吹き
募れば、それだけで
土はもう
殆んど
乾かされるのである。
其の
莖を
痛めても
構はぬ
拗切りやうを
見て
失望と
憤懣の
情とを
自然に
經驗せざるを
得なかつた。
ゆくりなく
拗切りてみつる蠶豆の青臭くして懷しきかも