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手籠
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てご
ふりがな文庫
“
手籠
(
てご
)” の例文
これ悪漢が持てりし
兇器
(
きょうき
)
なるが、渠らは白糸を
手籠
(
てご
)
めにせしとき、かれこれ
悶着
(
もんちゃく
)
の間に取り
遺
(
おと
)
せしを、忘れて捨て行きたるなり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
物取り同様に相手を
手籠
(
てご
)
めにして、その紙入れを無体に取りあげたという、うしろ暗い
廉
(
かど
)
があるからであろうと想像された。
半七捕物帳:17 三河万歳
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ちっとも自由なところがない。……
妾
(
わたし
)
を
手籠
(
てご
)
めにしようとした、この国の城主が威張っているよ。何んて厭らしい男だろう。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ひどい
摺剥
(
すりむき
)
があつて、横井源太郎は死際に何か特別の状態にあつたこと、——例へば
手籠
(
てご
)
めか何かに逢つて居たことを物語るやうでもあります。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相手はとしよりだし、まさか
手籠
(
てご
)
めにするようなこともないだろう。いっそ
暫
(
しばら
)
く閑静なところで養生してみようか。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
老実な方だと云いましたが、どうしてそうじゃありませんよ、私が
東厠
(
べんじょ
)
へ往ってると、後からつけて来て
手籠
(
てご
)
めにしようとしたのです、ほんとに
厭
(
いや
)
な方ですよ
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「ご友人の妻ときいたので、なおさら、助けねばならぬと思い、たって女を
手籠
(
てご
)
めにする。といって
肯
(
き
)
かない賊の
王矮虎
(
おうわいこ
)
を、やっとなだめて、事なく帰してやりました」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あなたはけさこの戸に
鍵
(
かぎ
)
をおかけになって、……それは
手籠
(
てご
)
めです……わたし……」
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「ああ! それじゃ人を
手籠
(
てご
)
めにしようというんだね!」
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「大の男が二人がかりで、あたしを
手籠
(
てご
)
めにしようとしたじゃないか、ひどいめにあったのはあたしのほうだよ」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「嫁が欲しきゃ、尋常に手順を
履
(
ふ
)
むがいい。千二百石の殿様が、町娘を
手籠
(
てご
)
めにして済むと思うか。今までにもその
術
(
て
)
で三人も腰元が死んでいるじゃないか」
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「はい、出刃打ちの連中でしょう、四、五人の男が
手籠
(
てご
)
めにして、私の懐中の百円を奪りました」
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
娘はあいにくに病気で
臥
(
ふ
)
せって居りますと断わっても、王は
肯
(
き
)
かない。どうでもおれの前へ連れて来いとおどしつけて、果ては
手籠
(
てご
)
めの乱暴にも及びそうな権幕になって来た。
中国怪奇小説集:13 輟耕録(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
華冑
(
かちゅう
)
の公子、三男ではあるが、伯爵の萩原が、ただ、一人の美しさのために、一代鐘を守るではないか——既に、この人を
手籠
(
てご
)
めにして、牛の背に縄目の
恥辱
(
ちじょく
)
を与えた諸君に
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのうちにだんだん増長して喜兵衛の家へ押し掛けて行く。おとわの家へも行く。それも飲み倒しだけならいいが、しまいには
手籠
(
てご
)
め同様にしておとわを手に入れてしまったんです。
半七捕物帳:32 海坊主
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「よし、解った。
手籠
(
てご
)
めにされそうになって、ツイ剃刀で斬ったのだろう」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大勢がまずその大小を奪い取って、
手籠
(
てご
)
めにしてその暗いひと間へ監禁してしまうのである。廓へ深入りした若侍でこの仕置きを受けた者がしばしばあることは、綾衣もかねて聞いていた。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分が
手籠
(
てご
)
めになろうとしたのを、折よく来かかって
扶
(
たす
)
けてくれた、旅客に顔を見られたが、直ぐにとこうの口も利かず、鬼に
捉
(
と
)
られた使の
白鳩
(
しらはと
)
、さすがに翼を
悩
(
あや
)
めたらしゅう、肩のあたり
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭