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手籠
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てかご
ふりがな文庫
“
手籠
(
てかご
)” の例文
さはいへまた久留米絣をつけ新らしい
手籠
(
てかご
)
を
擁
(
かゝ
)
えた菱の實賣りの娘の、なつかしい「菱シヤンヨウ」の呼聲をきくのもこの時である。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
農婦はその足もとに大きな
手籠
(
てかご
)
を置き
家禽
(
かきん
)
を地上に並べている。家禽は両
脚
(
あし
)
を縛られたまま、赤い
鶏冠
(
とさか
)
をかしげて目をぎョろぎョろさしている。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
その通りに行ってみると、上の
杣道
(
そまみち
)
から山の果物を
手籠
(
てかご
)
にして降りて来た女があった。女は振り仰いですぐ教えてくれた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたくしは日々
手籠
(
てかご
)
をさげて、殊に風の吹荒れた翌日などには松の茂った畠の
畦道
(
あぜみち
)
を歩み、枯枝や
松毬
(
まつかさ
)
を拾い集め、持ち帰って飯を
炊
(
かし
)
ぐ
薪
(
たきぎ
)
の代りにしている。
葛飾土産
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
(兵士ら腕を組み棚をつくる。バナナン大将
手籠
(
てかご
)
を持ちてその下を
潜
(
くぐ
)
りしきりに果実を収む。)
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
発見者である
蕨
(
わらび
)
取りの娘の
手籠
(
てかご
)
にいれられ、ゆられゆられしながら太郎は村へ帰って来た。
ロマネスク
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
髪をふりみだし、竹で出来ている
手籠
(
てかご
)
のようなものを腕にぶらさげていた。
三つの挿話
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
五人とも包みや
手籠
(
てかご
)
を持って、弥市などはてんで
舐
(
な
)
めたようすだった。
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あゝ、
日毎
(
ひごと
)
暮るればこゝに来て、庭造る愛らしき
器物
(
うつわもの
)
、
手籠
(
てかご
)
、如露の
傍
(
そば
)
近
(
ちか
)
く、空想に
耽
(
ふけ
)
れば、あゝわが
若
(
わか
)
かりし折の
思出
(
おもいいで
)
。幸福を歌ふ
啜
(
すす
)
り
泣
(
なき
)
は、心の底より
迸
(
ほとばし
)
り出づ。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
牛のすぐ後ろへ続いて、妻が大きな
手籠
(
てかご
)
をさげて牛の
尻
(
しり
)
を葉のついたままの
生
(
なま
)
の木枝で
鞭打
(
しば
)
きながら
往
(
ゆ
)
く、手籠の内から
雛鶏
(
ひよっこ
)
の頭か、さなくば
家鴨
(
あひる
)
の頭がのぞいている。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
夏近くなって山へ遊びに来る人がぼつぼつ見え初めるじぶんになると、父親は毎朝その品物を
手籠
(
てかご
)
へ入れて茶店
迄
(
まで
)
はこんだ。スワは父親のあとからはだしでぱたぱたついて行った。
魚服記
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「御夫人以下、みな
手籠
(
てかご
)
や
笊
(
ざる
)
を持って、草を摘んでおるらしいです。
摘草
(
つみくさ
)
ですな」
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夏と秋との
手籠
(
てかご
)
は
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭