悽愴せいさう)” の例文
天地間てんちかんぼくにんとりかず。ぼくしばらく絶頂ぜつちやういしつてた。このときこひもなければ失戀しつれんもない、たゞ悽愴せいさうかんえず、我生わがせい孤獨こどくかざるをなかつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
すべてひと感情かんじやう動物どうぶつで、しきときには何事なにごとたのしくえ、かなしきときには何事なにごとかなしくおもはるゝもので、わたくしいま不圖ふとこの悽愴せいさうたる光景くわうけいたいして物凄ものすごいとかんじてたら
ひとツとして、悲慘ひさん悽愴せいさうおもむきいまこゝさゝやぐる、材料ざいれうでないのはない。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
じつ悽愴せいさうきはまりなき光景くわうけい