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性悪
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しょうわる
ふりがな文庫
“
性悪
(
しょうわる
)” の例文
旧字:
性惡
気長に待っているなんぞは、あなたもそうとう
性悪
(
しょうわる
)
だが、最後にあなたが手をくだして盃洗の水をひっかけたのはまずかった
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
こうした
性悪
(
しょうわる
)
の女を、その
本然
(
ほんねん
)
な純情へ立ちかえらせてやるには、神の力よりも、仏の
功力
(
くりき
)
よりも、はたまた、幾度とない
獄吏
(
ごくり
)
の
責
(
せ
)
めよりも
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
またおれが女中部屋の
寝像
(
ねぞう
)
に
現
(
うつつ
)
を抜かして、ついこんな
性悪
(
しょうわる
)
をやらかしたように安く見ていなさるようだが、
憚
(
はばか
)
りながらそんな玉じゃねえんだ。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
感じたのであろう最初は一時の物好きで手を出したとしても
肘鉄砲
(
ひじでっぽう
)
を食わされた上に男の眉間まで割られれば随分
性悪
(
しょうわる
)
な意趣晴らしをしないものでもない。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これ皆町の息子親の呼んで当てがう女房を嫌い、
傾城
(
けいせい
)
に
泥
(
なず
)
みて勘当受け、
跡職
(
あとしき
)
を得取らずして
紙子
(
かみこ
)
一重の境界となる
類
(
たぐ
)
い、我身知らずの
性悪
(
しょうわる
)
という者ならずや
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
白の頭上には何時となく
呪咀
(
のろい
)
の雲がかゝった。黒が死んで、意志の弱い白はまた例の
性悪
(
しょうわる
)
の天狗犬と交る様になった。天狗犬に
嗾
(
そそのか
)
されて、色々の悪戯も覚えた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「あれ、お前さんも
性悪
(
しょうわる
)
をすると見えて、ひがむ事を覚えたね。誰が外聞だと申しました、俊さん、」
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは東栄が
所謂
(
いわゆる
)
性悪
(
しょうわる
)
をして、新造花川に
負
(
そむ
)
いたために、
曲輪
(
くるわ
)
の法で
眉
(
まゆ
)
を
剃
(
そ
)
り落されそうになっているところである。
鴫蔵
(
しぎぞう
)
竹助の
妓夫
(
ぎふ
)
が東栄を引き立てて
暖簾
(
のれん
)
の奥に入る。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
わたくしはこゝにもわたくしの中なる
性悪
(
しょうわる
)
な禍津日神を見出します。したが、その葛岡も、こゝへ来てからは矢張り変り出しました。妙に昂奮の気分を見せ始めたのです。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
人間みたいな野蛮で
性悪
(
しょうわる
)
な動物の頭に浮かんだということが、実に驚嘆に値するんだ、値するのだ、それほどこの考えは神聖で、感動的で、賢明で、人間の名誉たるべきものなんだ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
彼等は、
性悪
(
しょうわる
)
で荒っぽくて使いにくい兵卒は、
此際
(
このさい
)
、帰してしまいたかった。そして、おとなしくって、よく働く、使いいゝ吉田と小村とが軍医の命令によって残されることになった。
雪のシベリア
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
あれで、短気だから、吉良の
性悪
(
しょうわる
)
に勘忍しきれずに、大事にならねばよいが——。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
性悪
(
しょうわる
)
の吉ちゃんも、自由を与えてくれた諸戸の云いつけには、よく従った。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「誰ぞ、克に何ぞ
性悪
(
しょうわる
)
したんじゃないんか」
赤いステッキ
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「申しますとも。あなたぐらい、
性悪
(
しょうわる
)
の、男ったらしの、罪つくりな女はありませんよ。この夏中だってそうでしょう、わたしが見て見ないふりをしていれば……」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お客様、お前は
性悪
(
しょうわる
)
だよ、この子がそれがためにこの通りの苦労をしている、篠田と云う人と懇意なのじゃないか、それだのにさ、道中荷が重くなると思って、
託
(
ことづけ
)
も聞こうとはせず、知らん顔を
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
性
常用漢字
小5
部首:⼼
8画
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
“性悪”で始まる語句
性悪者