後来こうらい)” の例文
旧字:後來
刑は公法なり、科の次第を幟に記し、其とがよばわる事、世に是を告て後来こうらいの戒とせんが為なれば、諸人慎んで之をうけたまわらん条、勿論なり。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
ゆゑに吾が不学ふがくをもわすれて越雪ゑつせつ奇状きぢやう奇蹟きせきを記して後来こうらいしめし、且越地ゑつちかゝりし事はしばらのせ好事かうず話柄わへいとす。
それが妹の後来こうらいのためであるとも考えたので、彼は堀田原の主人の意見にそむいて橋場の寮へ足を向けた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これに就いてはわしも大きに考へたのだ、なにろ、お前との約束もあるものなり、又一人娘の事でもあり、しかし、お前の後来こうらいいても、宮の一身に就いてもの
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あなたの方でもまあそのつもりで読んでください。この性分しょうぶんが倫理的に個人の行為やら動作の上に及んで、私は後来こうらいますますひとの徳義心を疑うようになったのだろうと思うのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かつまた、後来こうらいこの挙にならい、ますますその結構を大にし、ますますその会社を盛んにし、もって後来の吾曹われらをみること、なお吾曹の先哲を慕うが如きを得ば、あにまた一大快事ならずや。
慶応義塾の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
高橋その馳走ちそうをうけ、これにて少しはらえたとて去りたりと。この高橋は洋学ようがくにも精通せいつうし、後来こうらい有望ゆうぼうの人なりけるに、不幸ふこうにして世をはやうせり。先生深く惋惜えんせきし、厚く後事こうじめぐまれたりという。
ゆゑに吾が不学ふがくをもわすれて越雪ゑつせつ奇状きぢやう奇蹟きせきを記して後来こうらいしめし、且越地ゑつちかゝりし事はしばらのせ好事かうず話柄わへいとす。