“弥(いよい)” の例文
旧字:彌
子を生みし後も宮が色香はつゆ移(うつろ)はずして、自(おのづか)ら可悩(なやまし)き風情(ふぜい)の添(そは)りたるに、夫(つま)が愛護の念は益(ますます)深く、寵(ちよう)は人目の見苦(みぐるし)きばかり弥(いよい)よ加(くはは)るのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
弥(いよい)よ明日(あす)が手術(しゆじゆつ)といふ夜(よ)は、皆(みんな)寝静(ねしづ)まつてから、しく/\蚊(か)のやうに泣(な)いて居(ゐ)るのを、手水(てうづ)に起(お)きた娘(むすめ)が見(み)つけてあまりの不便(ふびん)さに抱(だ)いて寝(ね)てやつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
今やその願足りて、しかも遂(つひ)に饜きたる彼は弥(いよい)よ夤(まつは)らるる愛情の煩(わづらはし)きに堪(た)へずして、寧(むし)ろ影を追ふよりも儚(はかな)き昔の恋を思ひて、私(ひそか)に楽むの味(あぢはひ)あるを覚ゆるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「友達中にもさう知れて見ると、立派に夫婦にならなければ、弥(いよい)よ僕の男が立たない義(わけ)だ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)