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引被
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ひきかぶ
ふりがな文庫
“
引被
(
ひきかぶ
)” の例文
腰の骨の
蝶番
(
ちょうつがい
)
がっくり
弛
(
ゆる
)
みてただの一足も歩かれず、くしゃりと土下座して、へたへたになり、
衣服
(
きもの
)
をすっぽりと
引被
(
ひきかぶ
)
りて、
南無阿弥陀仏
(
なむあみだぶつ
)
南無阿弥陀仏。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日は朝よりの春雨やや寒さを覚えて蒲団
引被
(
ひきかぶ
)
り臥し居り。垣根の山吹やうやうに
綻
(
ほころ
)
び、盆栽の桃の花は
西洋葵
(
せいようあおい
)
と並びて高き台の上に置かれたるなどガラス越に見ゆ。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その雪の来た翌日になって見ると、屋根に残ったは一尺ほどで、軒先には細い
氷柱
(
つらら
)
も垂下り、庭の
林檎
(
りんご
)
も倒れ
臥
(
ふ
)
していた。鶏の声まで遠く聞えて、何となくすべてが
引被
(
ひきかぶ
)
せられたように成った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その時、夜あけ頃まで、堀の上をうろついて、いつ
家
(
うち
)
へ帰ったか、草へもぐったのか、
蒲団
(
ふとん
)
を
引被
(
ひきかぶ
)
ったのか分らない。
打
(
ぶ
)
ち
踣
(
の
)
めされたようになって寝た耳へ
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
ながら
冴
(
さ
)
えるまで、
影
(
かげ
)
は
草
(
くさ
)
を
透
(
す
)
くのである。
其
(
そ
)
の
明
(
あかり
)
が
目
(
め
)
を
射
(
さ
)
すので、
笠
(
かさ
)
を
取
(
と
)
つて
引被
(
ひきかぶ
)
つて、
足
(
あし
)
を
踏伸
(
ふみの
)
ばして、
眠
(
ねむ
)
りかける、とニヤゴと
鳴
(
な
)
いた、
直
(
ぢ
)
きそれが、
耳許
(
みゝもと
)
で、
小笹
(
こざさ
)
の
根
(
ね
)
。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
八郎は恥ずるがごとく、雪代の羽織を
引被
(
ひきかぶ
)
った。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
被
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出