たつ)” の例文
至極しごく上手の女にあらざれば此おはたやをたつる事なければ、婦女ふぢよらがこれをうらやむ事、比諭たとへ階下かいかにありて昇殿しようでんくらゐをうらやむがごとし。
延宝二年、島谷市右衛門ら、無人の島嶼を巡検し、天照皇太神ほか二神を勧請し、「日本内」の木標をたつ
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
建築はもとより人工のものなれば風土気候の如何いかんによらず亜細亜アジヤ土上どじょう欧羅巴ヨウロッパの塔をたつるも容易であるが、天然の植物に至っては人意のままにみだりにこれを移し植えることは出来ない。
七日、三角測量吏吉村氏は※別山に三角台をたつるが為めに来泊す。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
事のよしをつげてお菊が戒名かいみやうをもとめ、お菊が溺死おぼれしゝたるはしかたはらに髪の毛をうづ石塔せきたふたつる事すべて人をはうふるがごとくし、みなあつまりてねんごろに仏事ぶつじいとなみしに
雪竿といへば越後のこととして俳句はいくにも見えたれど、此国に於て高田の外无用むようの雪竿さをたつところ昔はしらず今はなし。風雅ふうがをもつて我国にあそぶ人、雪中をさけて三ころ此地をふむゆゑ、越路こしぢの雪をしらず。