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市村座
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いちむらざ
ふりがな文庫
“
市村座
(
いちむらざ
)” の例文
丁度その時刻には、自分は
市村座
(
いちむらざ
)
で芝居を観ていたという。芝居茶屋へ訊い
糺
(
ただ
)
して見ると、来た時刻も帰った時刻もちゃんとウマが合っている。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
いえいえ、
嘘
(
うそ
)
でも
夢
(
ゆめ
)
でもござんせぬ。あたしゃたしかに、この
耳
(
みみ
)
で
聞
(
き
)
いて
来
(
き
)
ました。これから
直
(
す
)
ぐに
市村座
(
いちむらざ
)
の
楽屋
(
がくや
)
へお
見舞
(
みまい
)
に
行
(
い
)
って
来
(
き
)
とうござんす。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
市村座
(
いちむらざ
)
で菊五郎、
吉右衛門
(
きちえもん
)
の青年俳優の一座を向うへ廻して、
松居松葉
(
まついしょうよう
)
氏訳の「軍神」の一幕を出した、もう引退まえの女優生活晩年の活動時機であった。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
新俳優
伊井蓉峰
(
いいようほう
)
小島文衛
(
こじまふみえ
)
の一座
市村座
(
いちむらざ
)
にて
近松
(
ちかまつ
)
が『
寿門松
(
ねびきのかどまつ
)
』を一番目に鴎外先生の詩劇『
両浦島
(
ふたりうらしま
)
』を
中幕
(
なかまく
)
に紅葉山人が『
夏小袖
(
なつこそで
)
』を
大喜利
(
おおぎり
)
に据ゑたる事あり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
時々歌舞伎座や
市村座
(
いちむらざ
)
あたりの、高級な芝居を立見するけれど、浅草の見せ物に比べると役者がいやに上品ぶって、味もそっけもないマンネリズムを繰り返して、不愉快なこと
夥
(
おびたゞ
)
しい。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
屹度
(
きっと
)
、今度二丁目の
市村座
(
いちむらざ
)
に
掛
(
かか
)
るという、大坂下りの、中村
菊之丞
(
きくのじょう
)
の
一座
(
ところ
)
の
若女形
(
わかおやま
)
、
雪之丞
(
ゆきのじょう
)
というのに相違ないでしょう——雪之丞という人は、きまって、どこにか、雪に縁のある
模様
(
もよう
)
を
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
火事場
(
かじば
)
の
纏持
(
まといもち
)
のように、
息
(
いき
)
せき
切
(
き
)
って
駆
(
か
)
け
込
(
こ
)
んで
来
(
き
)
たのは、
同
(
おな
)
じ
町内
(
ちょうない
)
に
住
(
す
)
む
市村座
(
いちむらざ
)
の
木戸番
(
きどばん
)
長兵衛
(
ちょうべえ
)
であった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
中村座
(
なかむらざ
)
と
市村座
(
いちむらざ
)
の
櫓
(
やぐら
)
にはまだ足場がかかっていたけれど、その向側の
操人形座
(
あやつりにんぎょうざ
)
は
結城座
(
ゆうきざ
)
薩摩座
(
さつまざ
)
の二軒ともに早やその木戸口に彩色の絵具さえ生々しい看板と
当
(
あたる
)
八月
(
はちがつ
)
より興業する旨の
口上
(
こうじょう
)
を掲げていた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
待
(
ま
)
てよ。こいつァ
市村座
(
いちむらざ
)
へ
行
(
ゆ
)
くより
先
(
さき
)
に、もっと
大事
(
だいじ
)
なところがあるぜ。——そうだ。まだおせんちゃんが
知
(
し
)
らねえかもしれねえ。こんな
時
(
とき
)
に
人情
(
にんじょう
)
を
見
(
み
)
せてやるのが、
江戸
(
えど
)
ッ
子
(
こ
)
の
腹
(
はら
)
の
見
(
み
)
せどこだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
“市村座”の解説
市村座(いちむらざ)は、江戸にあった歌舞伎劇場で、江戸三座のひとつ。座元は市村羽左衛門代々。控櫓は主に桐座だったが、都座と玉川座が代興行したこともある。明治時代以降も経営者が変わりながら運営されていたが、1932年(昭和7年)の焼失により廃座となった。
(出典:Wikipedia)
市
常用漢字
小2
部首:⼱
5画
村
常用漢字
小1
部首:⽊
7画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
“市村”で始まる語句
市村
市村羽左衛門
市村瓚次郎
市村録太郎