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差掛
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さしかか
屋根船はその間にいつか両国の
賑を
漕ぎ過ぎて
川面のやや薄暗い
御蔵の
水門外に
差掛っていたのである。燈火の光に代って
蒼々とした夏の夜の空には
半輪の月。
谷中から上野を抜けて東照宮の下へ
差掛った夕暮、
偶っと森林太郎という人の家はこの辺だナと思って、
何心となく
花園町を
軒別門札を見て歩くと
忽ち見附けた。
霜枯時の事ながら、月は格子にあるものを、桑名の
妓達は宵寝と見える、寂しい
新地へ
差掛った。
やはり
毎朝のようにこの
朝も
気が
引立たず、
沈んだ
調子で
或る
横町に
差掛ると、
折から
向より
二人の
囚人と四
人の
銃を
負うて
附添うて
来る
兵卒とに、ぱったりと
出会す。
と追分で
路が替って、木曾街道へ
差掛る……
左右戸毎の
軒行燈。