しゃ)” の例文
つとに祖父の風ありといわれた騎射きしゃの名手で、数年前から騎都尉きといとして西辺の酒泉しゅせん張掖ちょうえきってしゃを教え兵を練っていたのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
しゃの主目的は的にあてることで、的皮まとがわを射ぬくことではない。人の力には強弱があって等しくないからである。これは古の道である。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
が、民部みんぶ采配さいはいは、それに息をつくもあたえず、たちまち八しゃの急陣と変え、はやきこと奔流ほんりゅうのように、えや追えやと追撃ついげきしてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まへおなくにける銃架じうかしゃ×(18)
ことに、裸馬らばを駆る技術に至ってははるかに陵をしのいでいるので、李陵はただしゃだけを教えることにした。左賢王さけんおうは、熱心な弟子となった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「さあ、何で有名になってやろう。ぎょにするかな、しゃにするかな。やっぱり一番たやすいぎょぐらいにしておこう。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この人の習慣として、毎朝、起きぬけに百しゃしんをことかかなかった。百射とは、まだきに起きて、弓を百本射る。百振とは、大剣を払って、居合いあいの素振りを試みることである。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瞬かざるのみではまだしゃを授けるに足りぬ。次には、ることを学べ。視ることに熟して、さて、小を視ること大のごとく、を見ることちょのごとくなったならば、きたって我に告げるがよいと。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)