宗旨しうし)” の例文
紅も白粉もなくてあれだけに見せるんだから、あつしも、最初はお孃さんの玉枝さんびいきだつたが、お勝の方に宗旨しうしを變へようかと思つて居ますよ
手向たむけ候者一人も是なししか拙僧せつそう宗旨しうしの儀は親鸞上人しんらんしやうにんよりの申つたへにて無縁むえんに相成候つかへはめい日には自坊じばうより香花かうげ手向たむけ佛前ぶつぜんに於て回向ゑかう仕つり候なりと元より墓標はかじるしなき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
奥方の心では二人の子を持戒堅固ぢかいけんご清僧せいそうに仕上げたならば、大昔おほむかしの願泉寺時代のたヽりが除かれやう、ぬまぬししづまるであらうと思つたので、開基かいきと同じ宗旨しうし真言寺しんごんでらと聞いて
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
如是我聞によぜがもん佛説阿彌陀經ぶつせつあみだけうこゑ松風まつかぜくわしてこゝろのちりも吹拂ふきはらはるべき御寺樣おんてらさま庫裏くりより生魚なまうをあぶるけぶなびきて、卵塔塲らんたうば嬰兒やゝ襁褓むつきほしたるなど、お宗旨しうしによりてかまひなきことなれども
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「お神さん、もう一つ二つ訊きたいが、お前さんところの宗旨しうしは何だえ」
はうぶりし寺は當村なりやとたづぬるに向ふに見え候山のふもとにて宗旨しうしは一向宗かうしう光照寺と申し候ときいて然らば其せつ住持ぢうぢは未だ存命ぞんめい致し居やと有にさん候其節の住持祐然いうねんと申すは未だ壯健たつしやに候と答へける吉田よしだ三五郎さらば光照寺住持ぢうぢ祐然を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
折つたやうですが、お絹さんは新六郎どんに夢中だつたので、近頃はお宗旨しうしを變へて、妹のお鳥さんに取入つてゐるやうで、——何んと言つても、まだ十六のおぼこぢや、色男も骨が折れますね
「親分、近頃江戸にも、變なお宗旨しうしがあるんですつてね」